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.......なんだ、どうなってるんだ、
起きた正太郎は、額を合わせたまま眠る巫女都の顔が近すぎて一瞬なにがなんだか分からなかったが、自分の額を離し引きで見て、それが巫女都だと分かった途端固まった。
っ!?.......何で巫女?
祭礼の準備や神楽舞の直前練習と、今日は早朝からバタバタと動いていた巫女都は思ってた以上に疲れていて、この体勢のまま秒で寝たのだが、そんな事は知らない正太郎は状況が把握できず、巫女都を抱き込んでいる自分の体勢にかなり慌ててる。
無意識のまま何かしたとかねぇよな......。
少しの間観察し、大丈夫そうだと踏んだ正太郎は片肘立てて頬杖を付き、巫女都の寝顔を眺めた。
巫女は化粧してねぇ方が可愛いな。
そんな事を思いながら眺めていると、ぷっくりとした唇が目に入る。紅を注していなくても赤い唇が薄く開いていて、そこから見える舌に正太郎の心臓が騒ぎ出す。
引き寄せられる様にその唇に指で触れると、弾力のある感触に堪らなくなる。背筋がゾワッとして、キスしたい衝動に駆られて唇をゆっくり近づけいく。
「 ご飯だよー。あ!? 」
「 っ!? 」
唇が触れるまさに寸前、ノックも無しにドアが開いて芳美と正太郎はお見合いだ。正太郎は余りの驚きにそのままの体勢で固まり動けない。
「......お母さん、何も見て無いから。見猿、聞か猿、言わ猿。...ラップしとくね。ごゆっくり。」
そう言ってバタンッ!とドアを勢い良く閉めて出ていった芳美の言葉に正太郎は素朴な疑問をもつ。
なぜ三猿!?
そのままの体勢でドアを見つめ、日光東照宮を連想したりと内心パニクっていると、
「正ちゃんちょっと近い。これじゃ口がくっついちゃうよ」
と巫女都の声がしてハッとなり、目線を下げるとドアの音で起きた巫女都が少し照れくさそうに正太郎を見ている。よもやこの距離じゃ言い訳も見つからず、「...メシダッテ。」と意識しすぎて正太郎はドギマギしてるが、巫女都は全く気にも止めていないのか、「わーい」とご機嫌。
「 お腹すいた。ねぇねぇ、正ちゃん、ちょっとどいて」
正太郎を押し退けドアへ向かうも、着いてこない正太郎を巫女都は気にして振り返る。
「ん?正ちゃん、行かないの?」
「........先に行け、」
変なのと思うもまあいっか。と巫女都は先に行き、ドアが閉まった途端、正太郎は溜め息を吐くと共にベッドに倒れ込み、額に手を当てた。
「...何やってんだよ俺は。...巫女、全っ然意識してねぇし。気にしてんの俺だけな。...ハァ。」
正太郎はこの気持ちの正体に少しずつ気がついてきている。
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