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手を繋いで仲良く通学中、付き合っても以前と何も変わらないなと正太郎は思う。
すれ違う同校の奴等も、手を繋いで歩ってたって何の違和感も感じてねぇみたいだし、巫女もニコニコ他愛の無い話しを夢中でしてる。
...やっぱ、意識してんのは俺だけだな。
繋いだ手を見つめ、ドキドキと煩い心臓が気になりそんな事を思っていると、
「...ちゃん、正ちゃんってばっ! 聞いてないでしょ?」
「あ?...ああ、わりぃ。何?」
繋いだ手と反対の手で正太郎の腕を引っ張り、膨れっ面をする巫女都に意識を戻され、正太郎は謝り聞き返す。
「だからー、よっちゃん、僕たちの気持ちにずっと前から気付いてたんだってっ!教えてくれれば良かったのにね?」
「そうだな。...え"っ!?今、なんつった!?」
「えー、またぁ?」と不貞腐れながら言う巫女都の言葉を今度はちゃんと聞いたものの、正太郎は途端に慌てた。
「巫女!?ババアと何話したっ!?」
「んと、正ちゃんに好きって言われて、僕も好きって言ったんだ、って。いけなかった?」
慌てる正太郎を見てキョトンとした巫女都はサラッとそう告げる。
いけないでしょ。と思ってる正太郎とは対照的に、巫女都はにこにこと嬉しそうだ。
「よっちゃん、良かったねって言ってくれたよ?
僕たち見てて、いつ気がつくかヤキモキしてたって。じゃあもっと早く言ってくれれば良かったのにって言ったら、自分達で気付く事に意味があるのよーって言ってたよ。」
「...いつ、ババアとその話ししたの?」
「 ん? 正ちゃんが好きって言ってくれた次の日の朝。」
「......さいでっかっ。」
正太郎は顔面蒼白だ。芳美が知っているということは琴子も知っていると考え、これはヤバいと思ったが、もう諦めて開き直るしか道はないだろう。
ババアは兎も角、おばちゃんが何も言ってこねぇってことは、別に良いってことだろ。
「あ、そうそう、ママが話があるから来てって言ってたよ。」
「.....家に帰り着き次第、早急に伺います。って言っといて」
「うん分かった」とにこにこする巫女都を尻目に、正太郎は生きた心地がしなかった。
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