アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
28
-
「.....っ、...ハッ、くっ!?」
バタンッと音がし、巫女都が畳に投げられ受け身を取る。
流石主将。...凄く強い、襟さえ掴ませて貰えないし、簡単にはいかない。...悔しい、
「ハァハァ、先輩、もう一本お願いします!」
巫女都はこんな調子で亮輔に何度も挑んでいて、正太郎も夢中で取り組む巫女都を黙って見守っている。
...全然、組ませて貰えない。あっちは届きそうも無いし、―― マズい!?
「 んっ...!」
技をかけられそうになり踏ん張る巫女都に亮輔は教える。
「考えている事が目に表れてるよ、桐谷。それじゃ俺は倒せない、」
「 ......っ、」
悔しい!.....目に出てる?僕の目の動きで何処を取るか、どの技か、予測されてるって事?...なら、一か八か、
届きそうも無いからと、自分の中で選択肢から外していた奥襟にわざとチラッと目線をやり、隙を付いて亮輔の懐に入り背負おうとするも踏ん張られる。
踏み込みが浅いかも、
袖を取って肩に担いでいる亮輔の右腕を離さない様に、そのままの体勢で力を入れて次の手を考えていると、掴んでいる手がぐっと引き寄せられ背後から密着された。
「よく懐に入れたね。でも、踏み込みが足りない。....どうする?」
「 やっ!? 」
巫女都の耳元でそう言いながら、亮輔はその耳朶を軽く食む。巫女都は驚いて離れ様とするも、後ろから抱き込まれている上亮輔の左手が帯を掴んでいて叶わない。
更に亮輔はジタバタと暴れる巫女都の柔道衣の合わせから右手をスッと胸に滑り込ませてきた。
「 っ!?やだ!!触んないでっ!! 」
巫女都が大きな声でそう言った途端、巫女都の横にサッと来た正太郎が亮輔の右袖を握り、2人の間に入ると、払い腰でズバンッ!と亮輔を薙ぎ倒し、更に袈裟固めで首を締め上げる。
「 っ!?........くっ、」
「...黙って見てりゃ調子に乗りやがって」
正太郎はそう言うと、苦しそうにタップをして降参を示す亮輔に構いもせず、ぐっと締め上げる腕に力を込めて体重をかけた。
「正ちゃん!!?それじゃ落ちちゃう!!」
亮輔が意識を保てる限界まで締め上げられるのを見た巫女都が慌てて正太郎の腕を引っ張ると、渋々正太郎は手を弛めて立ち上がった。
「巫女に手出しやがったら、次は確実に落とすからな。このムッツリ野郎!」
ゴホッゴホッと漸く酸素を取り入れた亮輔が噎せるのを横目で見た正太郎はそう吐き捨てて「巫女帰るぞ」と歩きだす。
「正ちゃんがすみませんでした。でも、凄っく楽しかったですっ!有難うございました!」
満面の笑みを浮かべ頭を下げると巫女都は正太郎の後を追った。
残された亮輔は巫女都の笑顔に惚れ直し、正太郎は手強いが絶対に諦めないと心に誓っていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
28 / 217