アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
41
-
「 死ぬってマジで!絶対無理!!我慢出来ない自信がある!!」
子供みたいに駄々を捏ねる正ちゃんに、僕は苦笑いだ。正ちゃんはエッチだから、簡単には頷いてくれないと思ってたけど、予想以上のごねっぷり。
「...そんな自信持たれても。たった10日だよ?その間だけの我慢だから。ね?」
「無理っつったら無理!!10日だぞ10日!!10日って月の三分の一だぞ!? 巫女ぉー、考え直せってぇー。」
10日後に控えた大きな神事を前に、巫女都は正太郎に禁欲を申し出た。この神事は夏越大祓と言う半年間の大罪や穢れを祓うもので、鳥居に付けられている大きな茅の縄を潜り行う。
この神聖な神事の前に、せめて巫女として少しでも穢れを祓おうと巫女都は禁欲を申し出た。本当は30日前からとも思ったのだが、これでは正太郎に有無を言わさず却下されると思い、ならばせめて月水と呼ばれる、巫女が生理時などに参拝を禁じられる期間と同じ10日だけでも禁欲をしようと決めたのだ。
「正ちゃん、10日間、僕は神様のものだから。絶対に触っちゃダメだからね?」
「.........グレてやるからな」
拗ねる正太郎をはいはいと適当にあしらうと、巫女都は掃き掃除を止めて「着替えて来る」と正太郎を残して母屋へ向かう。
残された正太郎は灰になりそうだった。
付き合ってずっと、3日と開けずにセックスしてきたのに、神事の前だからって10日の禁欲だと?長すぎてありえねぇだろ。今までも神事の前に身を清めるからとか言って、巫女が禁欲を言い出すことはあったが、それは大抵前日だけで、今回みたいに長期間の禁欲を言い出されたことはなかった。急になんで10倍の日数禁欲すんだよとガッカリしたけど、いやまでよ、と考える。
「 ....まさか、これが俗に言う倦怠期ってやつか!?...ひょっとして、...やり過ぎて..飽きた?」
俺はかなり焦った。近頃は巫女の意見を全く聞かず、自分の欲に忠実に従っていた。そういう事が積もり積もって巫女は愛想を尽かしたのかも。これはマジでヤバい。
「お待たせ!行こ?」
いつも通り着替えを済ませて声を掛けたけど、正ちゃんは心此処にあらずで、よっぽど僕の提案が不満なんだなと、しょうがなくそんな正ちゃんを引っ張って学校へと向かった。
「はよっす、....なにそいつ。廃人みたいになっちゃってっけど...、どした...?」
登校して早々、正ちゃんはまるでチーンと効果音が聞こえそうなくらいのどんよりした感じで座ったきり動かなくなって、そんな正ちゃんを見て智くんにそう聞かれた。
「 智くんおはよ。......実は、」
巫女都がもじもじと言い難そうに事情を説明すると、智は腹を抱えて笑い転げる。なんつー理由で廃人化してんだよ。
「ウケんですけどー!!なになに、おまえの生命と性欲は直結してんの?たかが10日の禁欲で廃人とかあり得ねだろー!!」
「るせぇっ!!こちとら真剣に悩んでんだ!!馬鹿野郎!!」
正ちゃんの怒声を聞いてなお笑い転げていた智くんが、涙を拭いながら肩を組んできて「ちょっと提案なんだけど」と正ちゃんから少し離されたか、提案?と思いながらもそれに従って着いていく。
「10日もあれじゃとばっちりでこっちが危ないし、流石に可哀想だから、巫女ちゃん、この可愛いお口でしてあげたら?」
そう言われて意味が分かんなくて、キョトンとしちゃう。チュウしてあげれば良いのかな?っておもったから想像してみる。そんな事したら正ちゃんは盛るだろう。それで僕が拒否すればますます不機嫌になるだろうから、違うっぽいなと、もう分かんないから智くんに聞いてみる。
「....なにを?」
「 だから、ナニを、...あー、耳かして。」
その言葉に従って耳を向けると、とんでもない事を言われて、ぶんぶん首と手を振る巫女都は火がでそうな程、真っ赤だ。
「 む、無理っ!!く、口に入れるものじゃないしっ!?」
「 入れるもんなんだって。正太郎喜ぶと思うけどなぁ?これからもちょくちょくあるんでしょ、こういう事?今回は平気でも、性欲大爆発しちゃって、浮気されっかもよ?」
「 浮気っ!?」
余りにも驚いた巫女都が大きな声でそう言ったのを聞き、今まで机に突っ伏していた正太郎がバッと巫女都を見る。
目が合うと巫女都は慌てて口を押さえ、智の腕を掴み更に離れて正太郎に背を向けた。
「 しょ、正ちゃんに限ってそれは無いと思う....。」
「 わっかんねぇよ?こればっかりは。下半身は別の生き物だからね。おっ、そろそろ戻ろ。」
担任が教室に入って来た事により終了を余儀無くされたが、巫女都の頭の中は先程の話でいっぱいだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
41 / 217