アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
52
-
「........なんかこのスカート丈、デジャヴュなんだけど...。」
用意されてた衣装のスカート丈は、柿崎くんと出掛けた時に履いたスカートと同じくらいでそう思う。着替えたものの、あまりに短いから衣装の裾を慎重に引っ張ってみる。
「......伸びないかなぁ。...ハァ、」
渡された白雪姫の衣装はミニのワンピースだった。中側にフリルが沢山施されているからか、丈が一層短い。下着は見えないものの、なんか丸出し感のある丈に、僕は着替え終わっても、更衣室を出ることが出来ずに、やりますとか言っちゃった事をちょっと後悔してる。
「巫女!さっきのは.........」
バタンッ!と更衣室の扉を開き、中に入った正太郎は巫女都の姿を見て固まった。
「.....なにそれ、超ー可愛いんですけど。」
正ちゃんの可愛いを受け、僕はウキッとしたが、にやけちゃいそうな顔をううんと咳払いして引き締める。
「正ちゃんには僕より獅童くんのが可愛いんでしょ。別に正ちゃんに褒められても嬉しくないから。」
「....怒んなよ。あんなんウソだって分かるだろ?巫女しか見てない。」
「そう言う事言ってるんじゃ無くて、ん!?」
俺は巫女に近付くとキスして唇で塞いだ。暴れて突っぱねる巫女をロッカーに押さえ付け、誰が来るかも分からない更衣室にぴちゃぴちゃと濡れた音を響かせた。
「...ん、...ハッ、正ちゃん!...んん、...やめてっ...ん...」
「巫女がわりぃんだろ。当て付けで安請け合いしやがって。...それともなんだ、あいつとキスしたかった?」
正太郎は巫女都の首筋に舌を這わせながらその怒りを剥き出しにした。
...正ちゃん、怒ってる、
ただ女装の自分に発情しただけだと思っていた僕は、正ちゃんの静かな怒りを受けて慌てた。
押さえ付けられている手に痛いくらい力が入ってるし、こんな所でこんな事、絶対に僕が嫌がるのを分かっていて正ちゃんは僕を試していると思った。
「.....したくない。正ちゃんとしかしたくないよ...。お願い正ちゃん、もう、離して...」
「 やだね。」
「...あっ...正ちゃんっ...」
尚もその手を進める正ちゃんに僕は焦った。スカートの裾から入り込んできた正ちゃんの手を必死で押さえていると、バンッと更衣室のドアが開いて獅童くんと荻島先輩が入って来た。
遮る物が何も無い更衣室でバッチリ2人に目撃されて、ボッと火をふきそうなほど恥ずかしくて、正ちゃんの手を掴んだまま、僕はその場にヘナヘナと座り込んだ。
「 ....遅いから様子を見に来てみれば。強姦未遂の現行犯だ!!説教してやる、来いっ!!」
「 強姦!? いっ!?ちょ、痛いって!巫女ーっ!!」
荻島はわなわなと震えながら怒りを露にし、正太郎の耳を引っ張って更衣室から引き摺って行く。
それに慌てた巫女都が追いかけようと立ち上がると、バンッ!と目の前のロッカーに獅童が腕を付いて行く手を遮った。
「 桐谷くんて結構強かだよね。ああやって佐倉くんコントロールしてるんだ。その恥ずかしいですって顔も実は計算なんじゃないの?純情装って中身ビッチ?」
「 ビッチ!?...初めて言われた。どうかなぁ、分かんない...。けど、正ちゃんはコントロールなんて出来ないよ。ふふ、操縦不能。出来たらいいのにね。」
悪口を言われているのに天然の巫女都は気付けない。それどころか、正ちゃんの操縦マニュアルあったらいいのにね。と笑う始末で、そんな巫女都に獅童はイライラする。
「 僕、桐谷くん大っ嫌い!!絶対佐倉くんは自分以外は見ないって思って安心してるでしょ?その自信、いつか粉々に砕いてやるから!!」
「自信が有る訳じゃ無いよ。不安だし、嫉妬してばっかで醜いなって思う。でも、正ちゃんを信じるって決めてるの。...神様にも渡さないって言ってくれたから。だから、僕も正ちゃんだけは渡せない。」
「....ほんと、ムカつく!!」
再びバンッ!!と強くロッカーを叩きつけ、獅童は更衣室を後にした。ドアが閉まると巫女都はまたヘナヘナと座り込み安堵する。
「....ハァ。ちゃんと言えた、」
手が震えちゃってて苦笑したけど、凄く誇らしい気分だった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
52 / 217