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「でも貴先輩寝てんのか。それなら出直そうぜ優馬」
「は? なに言ってるんだ、今日で何度出直してると? 今日こそ会うよ僕は」
寝てるなら仕方ない、と踵を返す斗真に優馬さんはツーンとそっぽを向く。そのままソファーにドカリと腰を降ろすと、流石の叔父さんも呆れ顔だ。
「待つのは構いませんがあの人がどれだけ寝汚いかご存知ですか? それでも、というのなら僕は止めませんが」
叔父さんは大概相手してられない、と自分の席に着くと机の上にたまった書類を手に取った。
絶対ここからうごかないという雰囲気を醸し出す優馬さんに、斗真も諦めたように隣の一人用ソファーに腰を落とした。
いっそ起こしに行けばいいのに。とポロリ言葉をもらせば、優馬さんと斗真が顔を見合わせ苦笑う。
「貴さんを起こしに?」
「なぁ?」
「流石の僕でも貴さんを起こす勇気はないかな」
「俺も無理」
流石双子。息ピッタリにそう言って同時に首を横に振る。
「世の中広しと言えど貴先輩起こせるのは実さんと海都さんくらいじゃね?」
「そうだね、実に不本意だけど」
そ、そこまで……?
あれ? でも確か。
「叔父さんも毎朝貴文さんを起こしてるって言ってませんでしたか? 確か社長になってからは叔父さんが身の回りのお世話してるって実お父さんが……」
ふと浮かんだ疑問にソファーの上で身をよじり叔父さんを振り返ると、叔父さんは腕を組みながら
「まぁ……産まれた時から面倒見てればそりゃあ、ね。あの人の寝汚なさはお祖父様である初代社長譲りですから。とりあえず最初の一発目の蹴りをよけられれば後はどうとでもなります」
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