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表情は笑顔なのに目は笑っていない。そんな顔でずずいっと迫られた貴文さんは冷や汗をかきながらゴキュリと喉を鳴らした。
「あ、の、な。優馬? 俺は別にそれだけでチーム抜けたってわけじゃないんだぞ」
「ほかにも理由が!? はっ……もしかしてみさきさんがまた何か?」
「違う違う、違うって! ほら、一応俺ももう成人したしさ。落ち着かなきゃなーって、さ。わかるだろ?」
「わかりません! きっぱり!」
「う……」
身振り手振りで未だ貴文さんの膝の上に陣取る優馬さんに説明をしようとする貴文さん。俺の横ではそんな二人を斗真が呆れたような顔で見守ってた。
「僕達は貴方に憧れてチームに入ったんですよ? 他の族にはないカラーを持ってた今のチームを作った貴方に憧れて。喧嘩無敗王とか広島の死神とか色々変な呼び名もあるけど、仲間を一番に大事にする貴方が好きで! そりゃたまにヘタレだけどそこも可愛いって言うかもう本当愛しすぎて愛しすぎて愛しすぎt」
「はいそこまで」
また優馬さんの暴走が激しくなり始めた時。叔父さんがパンパンッと手を叩きながら静止の言葉をかける。勿論、会話を止められた優馬さんはギロリとナイフの様な睨みを叔父さんへと向け不服顔だ。
「貴方がどれだけ貴文さんをお好きなのかは知りませんが、彼は午後から大切な商談があります。無駄話はそれくらいにしていただけますでしょうか」
「無駄話……?」
ゆらぁりと優馬さんが立ち上がる。
「貴さんとのラブラブトーキングタイムを無駄、と?」
「そんなに話したいならどうぞそこの暇人と話してなさい。歳も近いしいいでしょう」
暇人、といいながら僕へチラリと視線を投げかける。というか暇人って……。
「確かに鷹ちゃんは可愛いけど、今は貴さんと二人の未来について話してるんですよ。邪魔してんじゃねーぞチビメガネ」
「チビだろうがサルだろうがなんでも構いませんので、とりあえず社長を返して下さい」
「だから今取り込み中だっつってんだろ」
貴文さんを間に挟んでまた始まった叔父さんと優馬さんの睨み合い。間の貴文さんは二人の圧に押されて青ざめ顔で小さく縮こまった。なんとか二人を止めようと「あ、あのさ、喧嘩は……」と挙手しながら訴えて見るけれど「あんたは黙ってて下さい!」と二人に一喝され「はいいいっ」と情けない返事を返しながらまた小さくなってしまった。
流石に可哀想かも貴文さん……なんて隣に座る斗真に視線で助けを求めて見るものの、彼は俺の無言の訴えかけに「無理」と手を振りながら即答を返した。
「言っただろー? あーなった時の優馬はめんどいって」
「そりゃそうでしょうけど、このままってのもどうかと思いますし……」
「まぁほっとけって。その内飽きて話も適当に纏まるからさ」
ほっとけってほっとけってと笑う斗真。その時「わかりました」と優馬さんがパンッと手を叩く。
「貴さんがそんな風に難くなならもう何も言いません」
「ゆ、優馬……」
やっとわかってくれたのか! がしぃっ! と抱き着いたのも束の間。
「僕と斗真もここのアイドルになります」
なんて満面の笑顔で言い出した優馬さんに
「ほらな。……ってちょっと待てコラァッ!?」
なんて叫び声を斗真があげたのは言うまでもない____。
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