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「ふーん。貴先輩ならそーゆうのほっとけないタイプのはずなんだけど」
「そうだよね。一番に首突っ込んで掻き回しそうなのに動かないなんて」
「おかしいよな?」
「ねえ?」
「あ、いえ、貴文さんは協力してくれるって言ってくれたんですけど俺のお師匠様がちょっといい顔しなくて。反対はされてない……と思うんですけど」
神宮の雛結の名前を頂いている今はお師匠様の許しなしで勝手な事は出来ないし。もしそれで貴文さんに迷惑がかかるなら……。
もやもやと脳内を巡る不安の考えにズズン……と気分が落ちていく。
あー、まただ。また暗くなっていく。昔からだ、何か一つのことを考えたら例えそれがどんなくだらない事でも重く捉えちゃって、どんどん悪い方向へ考えちゃう。
本当は俺が思っている程お師匠様は怒っても気にしてもないだろうに一人でうじうじ考えちゃうんだ。
この性格も変えたいのに……なぁ。
はぁ、と二人に聞こえるか聞こえないかの小さい溜息をつきつつポテトに齧り付く。既に頭の中にはいろんな考えが巡ってそのポテトの味さえわからなくなっていた。
でもその重苦しい雰囲気を、またもや優馬さんがぶち壊してくれたんだ。
「じゃあ鷹ちゃんも一緒にアイドルやればいいじゃない」
「え……?」
突然言われた言葉にポトリと手に持ったポテトがテーブルの上へと転がる。
「まだやりたい事決まってないんでしょ? だったら僕達と一緒にアイドルやればいいじゃない。鷹ちゃん可愛いからきっと人気者になれるよ」
「そ、そんな、俺がアイドルだなんてっ……」
ブンブンッと掌を眼前で振りながら心いっぱい否定した。
大体アイドルって歌ったり踊ったり、演技したりする……んだっけ? 確か。トナミ兄さんがやってたみたいな事言うんだよな。
兄弟子であるトナミ兄さんは、俺と同じ女形として活動する傍ら貴文さんの事務所でSAGIN(サギン)というアイドル歌手活動をしていたあ。
SAGINではメインボーカルを勤め、俳優・モデルとしても多才な活動をしてて俺が一番に尊敬する人でもある。
そりゃ兄さんみたいな人に憧れてはいるけど、俺がアイドルだなんて……。
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