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不思議なメンバー 1
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正午を少し過ぎ日照りがジリジリと照りつける中、馨達はカフェの席に座りながらじっとメニューを眺めていた。
好きなものを頼んでいいよと神代から言われとりあえず食べれそうなものをセレクトし、おずおずと彼に頼む。
(何このお洒落です感満載の場所…それに、人多すぎ)
お昼すぎにも関わらず人が多く、居心地が正直悪い。
「はぁ…」
思わずため息が漏れてしまい、棗が気を使う。
「どうした、気分でも悪くなったか…?」
「ぅ、うーん…少し」
「お、なになにどうしたの?」
わからない程度の小声だったにも関わらず神代が向かいの席から身を乗り出して馨と棗に迫る。
(悪気はないんだろうけど…ちょっと付き合いづらい…)
それを見ていた鷹司は神代の首根っこを掴んでは席に戻す。
「あんま余計なことすんな。」
「余計なことって、俺はただ純粋に白雪姫と仲良くなりたいだけだよ〜」
すっかりあだ名が白雪姫に安定し馨は彼に声をかけた自分を恨んだ。
(あのとき声すらかけてなかったら…)
こんな事にはならなかったかもしれない。
(でも…)
こんな事があったから鷹司と話すことが出来たのも事実だ。
(って、何考えてるの…!!)
馨は頭を左右に振り、邪険な考えを吹き飛ばす。
「やっぱりあんまり好みじゃなかった!?」
唐突な神代の嘆くような声にハッとし、思わず彼の顔を見てしまう。
「…ぇ、えぇっと…すみません、なんの…」
「ありゃ?もしかして聞いてなかった系?」
馨の表情を見ては、どこかホッとした様な顔の神代。
「…鷹司先生の顔の話」
状況がわからない馨の代わりに棗がうんざりした表情で、頬杖をつきながら話の内容を教えてくれる。
「良かった〜!!新、顔だけは良いからな~!」
「顔だけとか言うな。それ以外も落ちぶれちゃいねぇよ」
そう珈琲を片手に持ちながら子供のような顔で神代に反論する鷹司。
なんだかその姿が本当の彼のような気がして、胸の奥がキュッと締め付けられる。
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