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夏休み 2
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(夏休みの間は先生に会えないのか…)
そんなことを考え馨はハッとした
(いや、何考えてるの!?…先生に会わないっていい事じゃん)
チューブアイスが暑さで結露しているのかぽたぽたと雫を落とし馨のシャツを濡らす
何滴か垂れた辺りで棗が気が付き声をかけようとするが馨の浮かない顔を見て喉で声がつかえる
番を見つけた以上、理性と本能の狭間で揺れている馨を何度も見ている棗
自分を好いていてくれる気持ちは有難いし心地良い。だが何かあった時に頼れるのは番なのかもしれない
そう思った棗は首を小さく振り、いつもと同じトーンで馨に指摘をした
「溶けてんぞ」
「っ!…ほんとだ」
棗に声をかけられ、馨は急いで結露部分をティッシュで拭き取る
そんな姿を見て棗があることを提案しだす
「なぁ馨」
「なに?」
チューブアイスのプラスチック部分にティッシュを巻き急いで溶けてきたアイスを流し込む馨
「今度の土曜にさ練習試合あんだけど…」
上手く馨の顔が見れない
何だか幼馴染を試しているようだった
「うん?」
いつもと様子がおかしい棗に馨は首を傾げる
「お前、見にこないかなって…思って」
別に何度も馨に来て欲しいと誘っては断れているのになんでか今日は断って欲しいと思ってしまう自分がいる
それを見せないようにいつもの調子でおどけてみせようとすると
「な、なーんてお前来ない」
「…い、行きたい。かも…」
自分が思っていた答えとは真逆の答えが返ってき、馨の方を見ると耳や頬が少し赤い顔が目に入ってしまう
暑さのせいか、自分を好いているからたまには見に来たいのか…それとも
「棗…?」
馨の問いに棗はハッとし、必死に取り繕う
「そ、そうか!珍しい事もあるんだな!!…暑さでやられたか?」
「そんな訳ないでしょ。…たまには幼馴染の頑張ってる所も見てあげないと」
ソファの上から食べ終わったアイスのゴミをゴミ箱へと投げ入れる馨を見て棗はもどかしい気持ちになった
本当に理由はそれだけなのかと…
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