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夏休み 4
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休憩中に給水をしていた棗がこちらに気づき爽やかな笑顔で馨の元へと小走りでやってくる
「馨、ほんとに来てくれたんだな」
「お疲れ様。一応ね…暑くて死にそうだけど」
ハンディファンを顔に当てながら棗に笑いかけると彼も一緒になって馨の顔近くへと擦り寄ってくる
「あーーー涼し〜」
(ちかいよ…)
若干棗の方にファンを向け暑いのは気温のせいだと思いこみ涼む
休憩も終わり棗が立ち上がり土埃を払うと馨に軽く手を振り仲間の方へと走って行った
その後ろ姿を見送っていると後ろから声をかけられる
「珍しいな」
その声に馨は肩をびくつかせ、硬直した
「番犬くんもきちんとマーキングしてくもんだね。感心感心」
「な、なんですか…」
馨の後ろには余所行きの笑顔を浮かべる鷹司が立っていた
「夏休みだからてっきり家で涼んでるものかと思ってたがお前もこういうの見に来るんだな」
鷹司は1歩また1歩と近づき馨の隣にしゃがんでこちらを覗き込んでいる
「べ…つに先生には…関係ないじゃ」
「関係なくはないだろ。お前は番なんだからな」
番という言葉に不覚にも反応してしまう
(違う違う。いつもの挑発だ。乗っちゃダメ…)
「まぁ、俺もお前の事が気になってたから元気そうで良かったよ」
聞かない様に目を固く瞑り縮こまっているところに思わぬ一言をかけられ、馨は顔を上げ鷹司の方を向いてしまった
すると鷹司が満足そうに優しく微笑む
その顔を見た馨は心臓が大きく跳ねた
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