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修学旅行4
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(まずいな…このまま2人で過ごすのは…)
ズキズキと鈍く痛む頬を擦りながら鷹司は廊下を歩き、今後の授業への心配をする
「…あいつどうしたんだ」
今までは自分の事をこれでもかと避け、嫌っていたはず
先程の行動を思い出し身体の内側から何かが這い上がって来るような感覚に鷹司は身震いをした
(これから発情期のあいつと1週間一緒…)
自分の本能が持たないことは明確だった。早い段階で見切りをつけた鷹司は懐から携帯を取り出すとある人物へと電話をかけた
数回コールが続くと電話が繋がり電話の主が小声で話しだす
『なんだこんな昼間っから』
「事情はこっちについてから話す。今すぐこっちの高校に来い」
『何バカな事言ってんだ!?こっちだって授業が』
その言葉に小声で話すことを忘れ大声で怒鳴る相手とその声の大きさに耳元から電話を離す鷹司
「心配すんな。お前の方はこっちでうまくやるから」
鷹司の言葉に悩み呻き声をあげ渋るが最終的には了承をし急いで向かうからと言い残すと電話を切られた
電話が切れたことを確認すると鷹司は廊下の真ん中で力無くしゃがみ込んだ
あの時の馨の言動が表情が脳裏に焼き付いて忘れられない。自分にだけ見せる溶けてしまいそうな程潤んで色気のある瞳にほんのり色付いた頬や首元、そして鈴のように可憐な喘ぎ声
(……だめだ、頭ん中掻き回されそうだ)
胸が締め付けられ腹の底がじくじくと疼く。あのまま手に入れてしまいたかったと本能が鷹司を責め立てては間違っていなかったと争う
すると向かいから悠長に歩いてくる教師がしゃがみ込んで丸まっている鷹司を見つけはよからぬ事を考え、猫撫で声を出しながら駆け寄ってくる
「先生どうしたんで…」
鷹司の目の前までやってくるとその異様さに怯え、立ち止まってしまう。あまりにも普段の様子と違って今の鷹司が野生的な何かを発していたから
「あ、すみません。…ちょっとしたトラブルで」
そう言って顔をあげる鷹司の怪我を見て教師はすぐさま事情を聞こうとする
「何があって!その頬!まさか生徒から暴行を」
「なんでもないです。本当に俺の不注意なだけなので」
言葉を遮るようになんでもないと返事を返す鷹司の顔は笑っていながらもその奥にある瞳は教師を牽制するかのように冷たかった
何もなかったからこの事を公にするなということを力で強制させられる。そんな感覚に襲われる教師は恐怖からか黙って頷くと手当だけはしましょうと提案し鷹司を保健室へと運んだ
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