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馨は期待の眼差しを一瞬で冷ませ、代わりに思いっきり鷹司を睨みつける
「…っ!! お前、強いな。…持ってかれそだよ」
強いというのは馨から出ているフェロモンの事を指しているのだろう
Ωのフェロモンはフリーのαを男女問わず誘ってしまう
「…はぁっ、せ、せんせ…に、んっ…関係なっ!!」
馨から出た甘ったるく強い匂いが鷹司の鼻を掠める
すると、我慢が出来なかったのか鷹司は目の前にある資料室に馨を無理やり連れ込んだ
薄暗い教室に放り込まれた馨は本能で危険を察したのか立たない腰を引きずりながら鷹司と距離をとっている
「…ここ、噛み付いてやろうか?」
ずるずると距離をとる馨に鷹司が数歩歩いて近づき、馨の服を乱暴に掴み首元を露わにさせると、うなじを指差した
「ヤダッ!!…はぁっ、…棗っ」
馨は鷹司の腕を両手で力なく押し退け大粒の涙を零しながら棗の名前を呼ぶ
「棗…?ああ、穂高の事か。…お前、穂高と仲がいいのか」
「なつめ…助け、てっ!!…ぅう…なつめ、ひっぐ…」
質問に答えようとせず、ただひたすらに棗の名前を馨は呼ぶ
鷹司はそれにイラついたのか、馨の服から手を離し彼の顎を器用に持ち上げると、その小さな口に自分の指を2、3本ねじ込んだ
馨は驚き、苦しそうに嗚咽をあげる
「…っぁが!!…ぅぐ、ぁ…」
「…なぁ白雪。βのあいつじゃお前を幸せにはできない事、お前も知ってるよな。」
そう、βではΩと番にはなれない。
一緒に居たくても、番になれなければ相手に迷惑をかけるだけ…
そんな事、とうの昔に解っている。
「それに…お前は俺を見た途端、発情期(ヒート)に襲われた。これの意味、解るよな?」
(やだ…。それ以上言わないで…聞きたくない。信じたくない。)
馨は声にならない声を出し、カタカタと身体は震え、涙を引っ切り無しに流し、鷹司の指の侵入を拒みながら小さく首を横に振った
(お願いだから言わないで…やだ…やだ、やだ、やだ、やだ……棗…。)
「……お前の番は俺って事だよ。」
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