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お昼
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次に目が覚めると、そこは自分の部屋の天井だった
「……?」
(いつの間に…?)
なんとか気だるい身体を起し、ベッドを這い出ると馨は母がいるだろうリビングへと向かった
手すりに捕まり、ゆっくりと階段を降りる
(あの手…だれだったんだろう。)
撫でられた箇所を摩り、安心感を思い出す
(久々だな…あの感覚…)
両親に褒められて撫でられたりした時と同じ感覚…
ぼーっと考え込んでいるうちに階段を下りきり、廊下へと立ち竦んでいた
「なにしてるの?馨」
階段を降りる音が聞こえたのか、母がリビングの扉を開き、此方を見て不思議そうに首を傾げている
「…あ、ううん。なんでもない。…ねぇお母さん。」
「なぁに?」
「お母さんが運んでくれたの?」
リビングのソファーに座り込むと、母は声を出して笑う
「お母さん、馨をおんぶできるほど強くないわよー?…名前は聞かなかったんだけど、格好良い先生が馨をおぶって車まで運んでくれたのよ。」
「格好良い先生?」
「うん。お母さんも、お父さんじゃなくてあの先生に乗り換えちゃおうかしらっ」
母の冗談に、馨は苦い顔を見せた
「お母さん。」
「冗談よっ、お昼あるけど…食欲ある?」
上機嫌な母を横目に馨は「食べる。」とだけ言い、テレビをつけた
昼のバラエティー番組を見つつ、先程の母の言葉を思い返す
「格好良い先生…か。」
(いやいや、まさか…そんな事は無いだろうし…)
一瞬脳裏をよぎったのはあの鷹司
(お母さんに、言えないよなー…。番が見つかっただなんて。…第一自分が認めてないんだし)
自己解決をし、力強く頷くと母の作った昼食を食べた
(うどん、おいしい…)
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