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不意
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まさか泣きだすとは思っていなかったのか鷹司の目が僅かに見開く
「…泣くほどか。」
苛めようとしていたその手は、空中で止まりぐっと拳を作った
「…っ、泣いてないっ」
目元をこすり、何でもないと主張しだす馨
「泣いてないも何も、もう涙で前見えてないだろう」
すると、鷹司は馨へと近づくのを止め、その場で心配そうに馨を見つめてきた
(……なんで、そんな顔を…)
そんな顔をする鷹司に馨は胸が締め付けられるような感覚に襲われる
「…っ!!」
自分が変な気を起こしてしまいそうになり、無理に視線をずらした
(…ダメ、ダメだ…。)
首を振り、抑え込むと馨は自分のバックからクスリの入った袋を持ちだすと、廊下を走りだす
途中で鷹司の腕にぶつかってしまい、その場所が熱いくらいの熱を持つ
(あんな顔、卑怯だ……)
先程の鷹司の表情が頭から離れず、馨は人気の少ないトイレで自慰行為を行ったのだった
***
丁度校舎内をうろつこうと思ってた時だった
二年の教室に馨がいるのが見えたのは…
からかってやるだけのつもりだった…この前みたく
なのに…
(何あいつの事本気で心配してんだよ……俺…。)
空になった教室で鷹司は重たいため息と共にその場に座り込む
この胸の詰まりがなんだか、心地いいような悪いようなそんな感じに鷹司は首をかしげた
(……仕事だ仕事。)
無理やり切り替え、鷹司は馨の机にそっと触れると教室を後にする
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