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「なるほどねー…。馨くんの番相手は歳上なのか…」
「……はい。」
「棗くんを裏切るのが怖いって…どういう事が裏切るって繋がるのかな?」
「……。」
(どういう事が裏切るに繋がるのか…)
改めて考えると、何もかもが裏切るに繋がる気がした
「棗と、…いたいんです。勝手な願いかもしれないけど…ずっと一緒に居てくれたから、番なんか見つからなくて良かった…お伽噺だって、ずっと思ってたのに…」
(……こんなにも早く見つかってしまうなんて)
自分でも予想していなかった
「残酷だね。…この掟は」
不意に保険医が静かな声でそう呟いた
「……ぇ?」
「…一緒に居たい人といれなくなる時が来る。」
「……はい」
「頭の中では解ってるんだよね。…身体が勝手に動くから」
「……。」
黙って頷くことしか出来ない
(鷹司をどうやって好きになればいいのさ…あんな最低な奴……)
「今のままだと棗くんにも負担がかかる…それは承知の上なんだよね?」
「はい。」
「ならまだ今のままでもいいんじゃないかな?…先生は白雪くんに急いで番を探さなきゃいけないって感じには見えないし。」
その瞳はしっかりと馨を見つめており、説得力があった
(……。)
「でも、本気で番になる時はきちんと覚悟を決めなきゃダメだよ。棗くんにもしっかりと伝える事」
「……そんな日、来なくていいのに」
「そうだね。…でも、いつかはそんな日が来るから」
保険医の言っていることは正しい
だけども、子供みたいに駄々をこねてしまいたくなる
(……鷹司と、番……)
考えただけでも寒気に襲われた
「少し寝ていきな。…疲れてるでしょ?」
こくりと頷くと保険医が敷いてくれた布団へと入り、寝た
「先生が適当に言っておくから、気が済むまで寝ていきなー」
「…ありがとうございます」
それだけいうと、清潔な布団を被り深い眠りへと馨は入っていった
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