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モヤモヤ
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棗の頭の中はそんな事でいっぱいだった
(馨が…鷹司と…)
そんな考えが巡り、胸のあたりがモヤモヤしてならない
行かないでほしい…、そばから離れないでほしい
これは自分が馨の幼馴染だからなのだろうか…それとも…
「馨……」
(好きだ。)
その頬をなぞり、そっと唇に指を押し付ける
唇の柔らかさに驚きつつもこれが馨なんだと解るとまた一つ皆の知らない事を知った気分になった
「……んっ…」
もぞりと馨が動きだし、思わずたじろぐ
「…な、つめ…?」
大きな瞳が開き、翡翠色の綺麗な瞳が棗を捕らえる
「…起こしちまった?」
見舞い客の座る椅子に悟られないように静かに座り、へらりとおどけてみせた
「ううん…、何かあったの?棗」
「何かって?」
思わず聞き返すと馨は小さく笑ってこう言った
「浮かない顔してる。…どこか痛いところでもある?」
(どこか痛いところって…俺は小学生かよ。)
そんな馨が可愛らしくて思わず声をあげて笑ってしまう
「そうだなー、…強いて言うならお前が体育をサボった時くらった内田のげんこつかな」
内田とはうちの学校の体育教師だ
「えっ!?」
バッと馨が起き上がり、棗の袖口を引く
「ばーか、げんこつなんかくらってないよ。…ほらつらいんだから寝てろ。」
心配そうに見つめてくる馨を落ち着けると、もう一度寝かせる
「…割と本気で心配したのに」
元の体制に戻った馨は目を細め、棗を見つめた
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