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家庭科 1
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棗は着替えを素早く済ませると馨と一緒にクラスに入った。
「棗~、おはよ~!!」「おはよう、棗君。」「おっせーよ棗~!!」
クラスの皆から声をかけられる棗に馨は一言断りを入れると、自分の席に向かって歩きだした。
(良かった…、いつも通りだ…。)
心の何処かでホッとしながら席に座り、外を眺める。
新緑のカーテンがキラキラと輝きその眩しさについ目を細めてしまう。
「今日の調理実習、何作るんだっけ?」「カップケーキだろ?」「家庭科の美紀ちゃん俺等のクラスは出来がいいからちょっとムズイのって言ってた気もするけど…。」
馨が外を眺めていると、クラスメイト達がそんな話を繰り広げはじめ現実へと引き戻される。
(さっき話してたのってうちのクラスの女子だったんだ…。)
鷹司に詰め寄っていた女子を思いだし、うんざりした顔をする。
(調理実習とか…、面倒だな…。)
第一人と協力して一つの物を作らなくてはいけない。
他人に触られることだって多くなる。
(仮病で休もうかな…。)
自分がいたところでできる事なんか限られている。
はぁ…と大きなため息をつくと、棗がそれに気づいたのか此方に駆けてき、前の席に座りだす。
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