アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
家庭科 4
-
家庭科室の窓から鷹司を見つけた女子達が一斉に黄色い声を上げだす。
「んー?美味そうな匂いがしたからちょっと来てみた。」
「やだ~、先生ったら!!」
彼が来たことがそんなに嬉しかったのか、クラスの女子達が窓枠から顔を覗かせては楽しそうに話す。
「いいのか?授業に戻らなくて?」
「いいの~、今オーブンで焼いてるところだから~」
生憎、女子達は鷹司に夢中で馨の存在など眼中にもない様子…。
(今のうちに…。)
そろりと抜け出そうと、立たない腰を持ちあげ四つん這い状態になりながら彼の足をすり抜ける。
彼女達の視界に入らない位置までくると、立ちあがり安堵の息をつく。
(…良かった。)
「俺、次の授業ないからここで皆の授業見ていてもいいかな?」
「ほんと!?待ってて今美紀ちゃんに言ってくるから!!」
鷹司が窓枠に頬杖をつきながら楽しそうに発案し、それにまるで芸能人が来たかのようにざわめく女子達。
「美紀ちゃん!!鷹司先生がうちらのクラスの授業を見ててもいいかなだって!!」
その言葉に、家庭科担当の教師も黄色い声をあげる。
「私は全然かまいませんよ!!鷹司先生がよろしければ好きなだけ見ていってください!!」
頬を少し赤く染め、髪を耳にかけながら嬉しそうに告げる教師に優しい笑顔で礼を言う鷹司。
「ありがとうございます、間宮先生。」
(うわ、最悪……。)
壁に手をつきながら馨はそんな様子を見て嫌な予感しかしなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
50 / 104