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手に入れたい…
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4時間目の家庭科は騒々しいものだった。
女子の皆が寄って集って鷹司にあれこれ聞いては、はしゃいだり触れたり……
馨は正直その場から居なくなりたかった。
(五月蝿い……。頭に響く…。)
ひとり黙々と作業を続ける馨に同じ班の棗が優しく話しかけてくれる。
「大丈夫か?…顔色悪いぞ?」
「……平気。これ作り終わったらちょっと保健室行ってくるね。」
出来る限りの笑顔で棗を安心させ、後片付けに手をかける。
「鷹司せんせぇって彼女とかいるの〜?」
ピクリッ…
1人の言葉に自分の耳が反応した。
別に期待をしてる訳では無いし、聞きたくもない。
だけど理性が勝るよりも先に本能が知りたがっていた……
手が止まり、鷹司の方をチラリと覗いた。
(もし、いたら…どうする…。)
いろいろな考えが頭を巡り、馨の脳を掻き乱す。
すると、鷹司とバッチリ視線があってしまった。
「……ッッ!!」
(離せない。目が……。)
絡まるような視線に心臓が落ち着かない。
「彼女は〜…いないけど、手に入れたい奴ならいるかな。」
鷹司は馨と棗、クラスの皆に聞こえる位の声の大きさで答えた。
「だれだれ~??」
「んー?内緒だ。」
女子達の言葉に楽しそうに答える鷹司とは裏腹に馨は真っ赤な顔を俯かせながらその場に座り込んだ。
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