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ムカつく
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(…期待するな、違う。違うに決まってる。)
でも確かに鷹司は馨を真っ直ぐと見つめながら、"手に入れたい"と言っていた。
「……。」
一方棗はジッと鷹司を睨みつけてから馨に目をやる。
胸がチクリと痛んだ。
(馨のあんな顔…一度も見たことない。)
鷹司は馨の色んな表情を引き出してはまるで差を見せつけるかのように微笑んでいた。
「ムカツク…。」
ボソリと呟いたその言葉に、班の男子達が反応する。
「どした?」
「ううん、なんでもねーよ。人気者はさぞ大変だなって思っただけだ。…馨、大丈夫か?」
棗は何事も無かったかのように笑顔を浮かべ耳まで赤くなった馨の横に座り込む。
「だ、大丈夫。…ちょっと、その…。」
もごもごとはっきりしない口振りで馨は膝の間に顔を埋める。
「……?」
棗が不思議に思っていると…
「体調がよくないんならすぐに言えよな。…ほら。」
後ろから声がしたかと思えば、急に目の前の馨の姿が宙に浮く。
「……ぁ。」
馨自身も驚いたように目を見開いて持ち上げた相手を見つめている。
「美紀先生、白雪体調が良くないみたいなのでとりあえず保健室に連れていきますね。…あ、そうだ。同じ班の男子、こいつの分のカップケーキ、女子に渡したまま本人の所に持ってこないはなしだからな~。」
男子高校生を担ぎながら鷹司は片手で指さし、馨の班の男子に伝える。
「……は、はぃ。」
班の男子達も状況を理解していないからか生返事しか返さなかった。
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