アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
崩れる 2
-
「…白雪くんによく触ることが出来ましたね。」
「え?」
保険医は人のいない、薄暗い場所まで鷹司とやってくると驚いたようにそう告げた。
「白雪くん、あんまり他人に関わったり触れられたりする事が嫌いみたいで…自閉的な所があるんですよ。」
それを聞くと、鷹司は首を縦に振り納得する様な声を上げた。
「あんまりクラスの子にも馴染めて無いみたいだったのはそんな理由があったんですね。」
「それをあっさりと…なにか打ち解ける出来事でもあったんですか?」
彼女もまた、馨と触れたり気軽に接していきたいのか、食い気味に鷹司に詰め寄る。
「別に何もしてませんよ。…僕は白雪にとって少し変わった存在だったというか。落ち着く存在みたいなんですよ。」
強ち間違った事は言っていない。
「そうなんですか…。鷹司先生はちなみに3種の内どれですか?って解りきった様な事を聞いてすみません。」
3種とはα、β、Ωの事だろう。
「いえ、構いませんよ。ご察しの通りαです。」
「白雪くんの事、気がついてますよね。」
急に保険医の顔つきが変わった。
「えぇ、まぁ。αである以上、鼻は敏感ですし、白雪は特に香りが強いですから。」
「Ωだからといってあまり変な態度をとらないであげてください。彼自身もかなり悩んでいるみたいですし…。」
「僕は今まで通り白雪に接していくつもりですよ。どれ位クラスに馴染めてないのかも今日解りましたし。」
鷹司はそれだけ言うと少し保険医に保健室を外してほしいと伝えた。
「発情で多分見られたくない所もあるでしょうし、男の僕が行ったほうが対処はとれるでしょう?」
「…そうですね。鷹司先生なら任せられる気がします。では、少し外しますね。誰も近寄らせないよう言っておきますので。」
「ありがとうございます。」
そう言うと保険医は踵を返し、保健室とは反対に歩き出した。
鷹司はある程度、保険医が離れたのを確認すると急いで馨の居る保健室へと戻った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
55 / 104