アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1学期 3
-
「あの…こんな所で寝てたら風邪ひきますよ。…それに、その…。」
起きたばかりの男は寝ぼけているのか馨の顔をじっと見つめては何かを考えていた。
そして、何を思ったのかいきなり馨の腰に手を回し自分の方へと引き寄せた。
「ッッ!?」
その場に帽子を落とし、下腹辺りに顔を何度も擦り寄せては、知らない人の名をぼやいていた。
「…つねちゃん、悲しい恋だったね……。」
(つねちゃんって誰!何この人っ!!)
「はっ、離して…!!」
他人に触られたくなく、なんとか離してもらおうと男の肩を押し返すが中々力が強く簡単に離れてくれない。
それどころか力は強まるばかりで馨は涙をうっすらと浮かべ、困り果てた。
(ど、どうしよう…。)
すると、横から誰かの手が伸びてき、馨と寝ぼけた男を引き離してくれた。
「何やってんだ、お前は。」
「…ぁ。」
「…ん〜、あれぇ…?新じゃん、帰ってくるの遅すぎ…ふぁぁ~ぁ。」
もう近くで見るのは何日ぶりだろう。
馨は思わず顔をあげ、その顔を見つめる。
逆光で少し暗くはなっていたが間違いない、間違えるはずがない。
「…先生。」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
70 / 104