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まさかのお迎え
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馨は鷹司の胸元に顔が埋まり、驚きで心臓がドクリと跳ねあがる。
それを見た颯は上がる口角を隠しきれず、自分の顎を撫でながら2人を眺めては楽しそうに笑った。
「……ほぉ、そういうことか~。これは、これからもお世話になるだろうし自己紹介をしておいた方が良さそうだな。」
そう言うと颯は下がった帽子を上げ直し、馨に向かって自己紹介を始めだす。
「俺、神代颯(かみしろ そう)。こいつとは中学からの友人で属性はまぁ…βだ。これでも一応教師で、都内の高校で日本史を主に教えてる。よろしくなっ!!」
にっかりと人懐っこい笑顔を向ける神代に馨は圧され、鷹司の後ろから覗き込むように黙って聞き、静かに頷いた。
「こいつ取っ付き難いところがあるだろ?俺も慣れるまでは大変だったぜ〜、一人で何でもかんでもやっちまうわ、周りを見下すような目をするわ…」
「うるさいぞ。ほら、白雪が困ってるだろ。その辺にしてやれ。これから帰るんだから。」
「そんなに怯えんでも、新じゃないんだ。とって食ったりしないよ~?…寧ろ、俺の方が安全なこと極まりないっしょ。」
「お前は送り狼だからな。一番信用出来ないよ。」
「俺はそんじょそこらの送り狼じゃないから。きちんと手順を追って…」
神代と鷹司の会話に馨は段々とその場を離れたくなった。
(なんでこんな会話をきかなくちゃ…。)
それを見かねた神代はヘラリと笑い頭を搔くと馨に謝る。
「退屈しちゃったかな?ごめんごめんっ」
「……いえ、別に。あの、もう帰ってもいいですか。その…待ってる人が。」
「噂の番犬くん?」
神代の言葉に馨は鷹司を睨んだ。
「棗は番犬じゃないです。」
「あ、はは…。」
それには鷹司も苦笑いで返すしかない。
「棗くんって言うんだな、番犬くんは。…そうだ、新。俺面白いこと思いついたわ!!お前は先に車行って待っててくれ!」
そう言うと神代は鷹司にここで待つように告げ、馨の手を取りくるりと向きを変えて教室の方へと走り出した。
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