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運命の再開
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はじめましてっ!
俺の名前は各務 弥千代。(かがみ やちよ)
女みたいな名前が原因で小学校の頃はイジメられてて嫌いだったけど、社会人になってからはそれも無くなりあまり気にならなくなってきたところだ。
年齢は今年で25歳のピッチピチ!
仕事は『S&F』っていう大手家具メーカーのお客様相談室の電話係り。
入社した時は直接家具に関わりたかったから企画部が良かったんだけど、人員不足のせいでここに配属になった。
最初は不満タラタラだったよ…
やりたくもない仕事やらされて、辞めようかって思ったくらい。
でも今はやりがいも感じてるし、スタッフの皆さんもいい人達なので楽しくやっている。
そして運命の出会い…
「おーい、かがみん。 企画部の書類持ってったー??」
「あ゛っ!! すみません今すぐ行きます!」
書類を企画部に運ぶよう頼まれていたのを忘れていて、慌てて大量の荷物を抱えて早足に向かっていると案の定、上から崩れてしまった。
バサバサと書類やらファイルやらが散らばってしまう。
頑張って拾おうとしてるのに、また崩れていく…。
「んがぁあ゛〜!!急いでる時に限って!」
「……だい、じょーぶですか?」
「ぁ、すみませんっ。ありがとうございます」
そんな俺に見かねた男が一人、散らばってしまった物を一緒に拾ってくれる。
お礼を言い顔を上げるとそこにはどこか見知った顔だった。
「これで全部ですね」
「はい……ありがとうございます」
「…………ん?何か?」
「あ、いえ、…私たち何処かで会ったことあります?」
弥千代の突飛な質問にその男は眉を上げキョトンとした。
いきなり変な質問をしたかと言いつくろう。
「…まぁ同じ会社なんですから廊下で見かけたとかありますよねっ…あはは」
「クスッ………そう、ですね」
「…?」
その男の笑みに違和感があったが、急いでいたことを思い出した。
「あ゛っ!これ急いで企画部に持ってかなきゃいけないんだった!…すみません、親切にありがとうございましたっ」
「あ、いえ。…それ企画部に持ってくんですか?」
「え?あ、はい。」
急いでるというのにこの男はまだ話を続けようとするのが面倒になって、早く話を切れるように『急いでます』アピールをする。
「あの、ホントにありがとうございました」
「それ、俺が持って行きましょうか?俺、企画部だし」
なんという幸運!
てか、それ早く言えよ…。
なんて口が裂けても言えないが、有難い展開に言葉に甘えさせてもらうことにした。
「本当に頼んでしまっていいんですか?」
「大丈夫、大丈夫!…その代わりと言ってはなんですが、今日の夜、予定空けてもらえますか?」
「ぁ、はいっ。勿論です」
「良かった。じゃあそちらが終わるの早いでしょうから、少し待って貰うと思いますが、こちらが終わったらすぐ迎えに参りますので。」
「わかりました」
男は「じゃぁ、また。」と踵を返すと大荷物を軽々持って行った。
「あっ」
約束したはいいが、名前を聞き忘れてしまったことを思い出した。
「あの!名前…!」
その人はこちらに向き直ると二カッと笑った。
「企画部、雑誌担当の早乙女 志龍(さおとめ ジヨン)です!」
「あ、…俺は各務 弥千代です!」
「おぅ!じゃあまたな。…………ちよ」
最後向き直り様にボソッと呟いた名前には当の弥千代には届かなかった。
(ラッキー♪ ラクしちゃったぁ〜。いやぁいい人もいるもんだねぇー!世の中まだまだ捨てたもんじゃないねっ。あっはっはっ)
弥千代は不気味な笑みを浮かべながらお客様相談室に戻る。
「あれ? かがみん書類は?」
「んふふっ、イケメン君がね♪」
「???」
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