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ココside
誰かが髪を撫でている。
髪を梳く指の感触が心地よく、覚醒しかけた意識がまた薄れていきそうになる。
やがて、離れていった大きな手の平の温かさが名残惜しくて、ふっと目が覚めた。
もう朝……?
柔らかな明るさに重たい目蓋を瞬かせる。
微睡みの気持ちよさのせいで、もう一度眠りにつこうかと思っていた矢先、
頭の上から控えめに名前を呼ぶ声が聞こえた。
「ココ?」
「……ぅ、はる?」
呼びかけに視線を彷徨わせると、憂鬱な面持ちのハルの姿があった。
どうして、そんなにに暗い顔をしているのだろう?
何かあったのかな?そんな心配をよそに、ハルは気遣わしげにオレの顔を覗き込んで訊いてきた。
「……大丈夫か?」
「ほぇ……?」
寝起きのせいで全く頭が回っていない。
問いかけの意味が分からず首を傾げていると、ハルは困ったような顔をした。
「気分は悪くないか?体は辛くないか?」
「気分?体……?え、あっ……!」
何のことだろうと思いかけた刹那、夜のことが一瞬にして蘇ってきた。
脳内で再生される昨夜の記憶に、全身が熱くなっていく。
きっと、今の自分はゆでだこ状態だ。
「あっ、うん!大丈夫…っ!」
恥ずかしさのせいで、テンパってしまう。
冷静なハルと違って、声は上擦るし酷い慌てようだ。
子どものように泣きじゃくり、霰も無い痴態を晒しそんなの普通にいられない。
今すぐ穴を掘って入りたいくらいだ。
「ココ、本当に大丈夫か?」
「ひゃうっ……っ」
触れられた瞬間、あの昨夜の感触が生々しく蘇り、間抜けな叫び声と共に反射的にハルの手を勢いよく振り払ってしまった。
「あ、悪い」
「いや、ちょっとびっくりしちゃっただけ…」
そんなはずはないけれど、ハルに触られたところが熱い。
まさか、今ので感じてしまったなんて言えるはずもなく。
ハルの顔をますます暗くさせてしまう。
「怖くて当然だよな…昨日は悪かった。急にあんな事したりして」
そう言って困ったような表情で笑った。
「違っ……くて、その…っ」
「いや、いいんだ。朝飯出来てるから一緒に食べよう」
そう言われ、弁解するタイミングを失い仕方なく朝食を食べるためベッドを出た。
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