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79 優しくて怖い人
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ココside
「たつきぃ〜、何してるのかなぁ?」
「今俺のもん取ろうとしてた」
しれっとハルが報告すると、たつにぃの顔が引きつった。
「いや、違う!違う!遙がウソついたんだ!」
手をぶんぶんと振りながら弁解する姿を見るところ、アオイさんのお尻に敷かれているようだ。
「辰樹にはデザート抜きにしてあげようか?それとも、今日だけ寝室出禁にしようか?」
「ああっもう…碧怖ぇって〜」
「辰にぃは完全に兄さんの尻の下だね〜」
ダイキがほくそ笑みながら呟く。
「でもベッドの上では俺が上だぜ?」
と誰も訊いていないことを自慢げに話した。
「こっ、こら!変なこと言わないの!もう今日は一緒に寝てあげない!」
「へぇー、このウチも一緒に寝とんやなぁ〜ラブラブぅ〜」
「碧ちゃん墓穴掘った〜」
タイガの言葉に赤面しているアオイさんを面白がって茶化すハル。
五人揃うととても賑やかだった。
オレが入る隙がない程に。
でも、楽しそうにテーブルを囲む姿を見るのは初めてで、それだけでオレは楽しかった。
その中にオレも加われるなんて夢みたいだ。
「ココちゃん、いらっしゃい。大輝の兄の碧です。よろしくね?」
掛けてくれる声が優しくてとても嬉しかった。
「ココ、隣りおいで」
少し低めのテーブルに料理を置き、その周りに座布団を並べる。
ハルの隣りの座布団をぽんぽんと叩かれちょこんと座った。
「な?怖くないだろ?
…碧ちゃんは怖いけど」
そっと耳打ちして来た言葉に二人で苦笑する。
「ん〜?何か言ったぁ?」
「「っ!!何もない(です)!!」」
アオイさんは優しくて怖い人だった。
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