アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
131 初詣
-
ココside
結婚なんてハルは考えたことあるのかな?
ハルと結婚したらどうなるの?
始まりが来たら終わりが来る。それが怖い。
失いたくないから…
ハルに出会う前まで、そんな物怖くなかった。失う物が何もなかったから。
でも、これ以上の幸せをオレは手に入れても良いのだろうか。
ハルがオレと一生を共にしたいと言えば、オレもそうする。
こんな、家族の在り方も知らないオレが幸せな家庭を築くことなんて出来っこないよ。
次々に、何の解決もできないような事が頭に浮かんでくる。
「結婚…したらずっと一緒にいれる?」
「あぁ、大我と大輝みたいにな」
「結婚って、どんなの?」
「どんなの………うーん」
目線を上に向けて、ハルは少し考えた様子でオレの質問を復唱した。
少しの間考えた後、ハルが口を開いた。
「どうなるかは、結婚した二人次第。
だけど、その二人の好きなように歩いて行ける。
二人三脚で、辛い事とか苦しい事とかも全部支えあって一個一個乗り越える。
幸せは………今以上だな。」
「そんなのになれる?オレが隣にいて大丈夫なのかな?」
「当たり前だ。お前とじゃないと幸せになれない。これは、確実にだ。」
「ホントにホント?嘘じゃない?
一生隣にいていいの?ずっと甘えるよ?嫌いになったりしない?オレのこと捨てない?」
後から後から、不安と共に涙がこぼれ落ちる。
嫌なら、今言われたほうが良い。傷つくのは少しで済むから。
今、嫌と言われても傷つくのは少しじゃないけど、
いつか終わりを迎えた時の心の傷の大きさを比べると、今のほうが断然楽だと思ったから。
「そんな嘘なわけない。嫌いなんかならない。
お前なんか捨てるもんか。一生隣にいろ。もっと甘えていいんだ。」
啜り泣くオレをやんわりと抱きしめてくれた。
「お前こそ、嫌いになったりしないだろうな?逃げようったって、絶対逃さねぇぞ…?」
そんなわけないじゃん。
こんなにもハルのことが好きなのに………
「明日、ちゃんと初詣行こうな。車でドライブでもするか。」
「ドライブ?行きたいっ!初詣なんか行ったことないから分かんないや〜」
お互いに抱きしめあったまま会話する。
頭を撫でられる感覚が心地よくてまた寝てしまいそう。
「お腹空いた………」
「今の今までぐっすり寝てたからな。そのまま連れてってやるから、まずは飯食え」
機嫌良さ気なハルに介抱され、幸せな寝正月を過ごせた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
151 / 636