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138 俺の決意4
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遙side
『で?この子は誰なんだ?』
けしからん、とでも言うように眉間にシワを寄せて口を開いた親父。
「俺の恋人……。」
お互い、食卓テーブルに向かい合うように座る。
チラッと横目でココを見るとソワソワ落ち着かないようだった。
こんな睨むような顔のヤツと向かい合ったら、ココは竦んでしまうだろう。
こっそりと手を繋いでやると、ぎゅっと力一杯握ってきた。
「ココっていうんだ。……俺、こいつと結婚するからっ。」
俺は、ハッキリとした口調で告げた。
ココにもちゃんと言ってなかったけど、本気で一緒になりたい。
「は、はる!?」
「俺は本気だよ?お前も結婚したいって言ってくれたろ?」
焦るように俺を見上げるココに、優しく微笑んでやった。
『遙。相手を分かって言ってるんだろうな?どこの誰だか知らない者と結婚させるわけないだろう』
冷たい口調でそう告げられた。
分かってはいたが、結構傷つくものだな。
ココが否定されて、俺の胸がズキズキと痛む。
まるで、俺の全てが否定されているようで怖い。
「親父、そんな言い方しないでくれ。俺はコイツがいないと生きていけないんだ。」
『今まで、一人で平気だったくせに何を今更行っているんだ。どうせ、この子がいなくなってもお前の元の生活に戻るだけだ。』
「決してそれはない。誰かと一緒に楽しく食事したり、誰かと同じ時間を共有したり、以前の俺はできなかったことだ。ちょっとクサイかもしれないけど、人を愛することがこんなにも幸せなことなんだって、初めて知った。人と接する事が苦だった俺がこんな幸せな時間を過ごしているのに、親父はそれをとることが出来るのかよ!?」
思わず声を荒らげたが、親父は顔色一つ変えず黙ったままだった。
「全部コイツのおかげなんだよ……」
頼むから分かってくれよ…。
俺は、ココを愛してるんだ……。
上手く伝わらないせいで、気持ちが溢れてそれが涙となって目から落ちた。
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