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ほしみっつ③
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突拍子もない事ばっかりしやがって…。
更に文句を言ってやろうと思ったが、やめた。怯えている小動物のような顔を見ると、怒鳴る気も失せた。
それよりも、今朝から抱いていた疑問を投げかけることにした。
弁当の続きを口にしながら、あくまでもナチュラルに、自然体に。と思ったのだけれど、
「お前さ、アイツと仲良かったの、か?」
恥ずかしいことに、若干声が上ずってしまう。
ああ、もう。百城と倉橋の関係を尋ねるだけなのに、なんで緊張する必要があるのか。
こんな『どうでもいい』質問一つで。
しかもアホ面小動物、倉橋なんかに。
揺らぐ視線、落ち着きのない胸。何で急にこんなになったのか、自分でも分からない。
モヤモヤして頭をかきむしる。
そんな俺の顔を覗きこむようにして倉橋が「アイツって?」と聞き返してくる。
俺の声が上ずった事に対しては特に反応していないようだ。
「うーん」と小さく唸ったあとペットボトルのお茶をコクンと飲み、更に続けた。
「あ、もしかしてモモくんの事?」
「……」
どうせまたアホみたいな顔してるんだろうが、なんとなくその顔を見れない。
分かってるなら聞き返すなよ、と胸の中で悪態をつきながらも、俺は、目を合わせずに「それ以外ないだろ」とぶっきらぼうに答えた。
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