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公園 4 (鏡side)
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出て行った優を追いかけて、俺は公園に行った。
しかし優が見当たらない…
するとベンチからくぐもった声が聞こえた。
三人の男に囲まれたベンチを見ると、
優がその中で男たちに拘束され、押さえつけられていた。
ブチッッと頭の中で何かが切れる音がした。
気づくと俺は、優の胸を弄っていた男を全力で殴り飛ばしていた。
しかし怒りは収まらない。
理性と戦い、なんとか拳を抑えた。
「おっさんら、
死にたくなかったら、早く逃げなよ」
男たちを睨みつけると、殴ってのびている一人を引きずって逃げて行った。
優を見ると、口を塞がれ、手を縛られた状態で、今起きたことに呆然としているようだった。
無事でよかった…
「はあー、お前さ、こんな時間にお前みたいな奴がいたら襲われることくらい考えろよ、ったく」
たしかに優にも非がある。
…こんな線が細くて女と見間違えかねない男が夜に一人で公園にいたらそっちの趣味の男に襲われてもおかしくない。
「…ごめん…
…助けてくれて…ありがとう」
優は泣きそうな顔で謝ってきた。
反論しないあたり、本当に怖かったんだろう。
「…まあいい、帰るぞ」
「うん…」
「…っ!」
立ち上がろうと足をついた優は苦い顔をして動きを止めた。
怪我してるのか…
てかなんで裸足で家を出るかな。
…しょうがない…
おぶってやろうと背中を向けてしゃがんで後ろに手を出したが、優は乗ってこなかった。
「…え?」
…ったく!
分かれよっ!!!!
「…乗れよ!どうせ痛くて歩けないんだろ!全く…てかこの体勢みたら普通分かるだろ!!」
「え、あ、ごめん、
じゃあお言葉に甘えて」
そう言って俺の背中に乗った。
元々細くて軽いやつだけど、今は余計に小さく感じてしまった。
「…ありがとう…」
優がそう呟いたのが聞こえた。
そしてそのまま優から力が抜けて、さっきより少し重くなる。
「…ごめんな」
優が起きてても聞こえないくらいの小声で謝った。
優が襲われたのは…元を辿れば俺のせいだ。
俺が出てきたせいだ…
わかってるけど、一度外の世界を知ると
戻りたくなくなっちまうんだよな…
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