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夢 (翔side)
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ここは…どこだ…?
真っ白な空間
自分が浮いているのか立っているのかもよくわからない、360度白い世界。
「よお」
後ろから声がした。
振り返ると、何もない真っ白な空間にポツリと人が立っていた。
いや、地面がないから立っていると言えるのかも分からないが、兎に角そこにいるのは、
自分だった。
「君は…」
「俺は鏡(キョウ)だ。」
キョウ…きょう…鏡…?
なんだっけ…誰だっけ…
「なんだ、優の話忘れたのか?」
…ああ、そうだ。思い出した。
こいつは、俺のもう一つの人格、鏡。
「ここは、俺の夢の中?」
「ああ、そうだ」
こんな夢見たこともないが、やけに納得してしまった。
そうだ、夢だけどせっかく会えたんだ。
聞きたいことはたくさんある。
「鏡はいつから俺の中にいたの?」
「お前の物心つくころからずっといた」
「ずっと俺の中にいたのに、外の世界のこと知ってたの?」
「お前の見聞きしたものは全部見えてたからな」
「俺が…優のこと好きってことも知ってたの?」
「いや、客観的に見て恐らくそうだろうとは思ってはいたが知ってたわけじゃない。
お前と俺は、別人だ。
一つの身体に…二人の人間がいるだけだ。
お前の見聞きしたことは知ってるがお前の感情までは知らない」
「…そっか…」
「鏡は…
優のことが好きなの…?」
なんで急にこんなことを聞いたのか、自分でもわからなかった。
でも何か、聞くべきだと思ったんだ。
それを知りたいと思ったんだ。
「…さあ?どうだろうな」
ジリリリリリリリリリ
目覚ましの音で俺は目が覚めた。
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