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海 5 (優side)
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冷たい…寒い…
心臓までも冷えていく気がする。
俺の名を呼ぶ声がどこか遠くで聞こえる…
起きなきゃ、答えなきゃ、と思うのに体は動かない。
急に誰かに抱えられた感じがした。
暖かい…
凍った体が溶かされるようだった。
翔…?
すると真っ暗だった視界にわずかに光が差し込んできた。
…苦しい…
さっきまでは何も見えず、苦しさなんて感じなかったのに…?
呼吸が苦しい…
「がはっっ」
肺に入っていた水が吐き出されて新鮮な空気が入ってくる。
だんだん明るくなってくる視界に写ったのは…
「…こんのバカ!!
危うく死ぬとこだったぞボケ!!!」
…!?
「ゴホッゲホッ!
…え”!?き、鏡!?」
「お前息してなかったから翔が人工呼吸したんだよ!
結果俺が出てきちまったんだ!」
「あ…そっ、か…ゴメン…」
「謝るなら翔に謝れ。
死ぬほど心配してたんだからな」
「うん…」
また俺のせいで…
翔…ごめん…
心の中で呟いたその言葉は、翔には届かない。
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