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海 6
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「優くん!!翔くん!!」
呼ばれた方を見ると綾瀬さんが走ってきた。
「ハァ、ハァ…良かった…無事で…
ごめんなさい!私のせいで…!」
「いやいや!俺がドジ踏んだのが悪かったんだよ!
あ、これ…見つけたんだけど、探してたネックレスってこれだった?」
俺はずっと手に握りしめていたネックレスを渡した。
「!!うん!
見つけてくれたんだ…
本当にありがとう…!」
綾瀬さんは両手でネックレスを大事そうに持ち目にうっすらと涙を浮かべていた。
良かった…
「んな大事なもんつけて海なんて入んなよ」
「ちょっ!きょ…翔!!そんな言い方…!」
てかちゃんと翔のマネしてよ!
綾瀬さん、目が点だよ!?
「…あ…ごめんなさい…本当に…」
いつも優しい翔が急にキツイこと言ったから、驚いたのと怒られたので彼女の目からさっきとは違う涙があふれた。
「あ、綾瀬さん!気にしないで!
翔俺のせいで神経張り詰めてたからさ!」
「ごめんなさい…」
「いいよいいよ!みんなのとこ戻ろう!」
なんとかフォローしながら立ち上がろうとすると、ズキンッと右足に激痛が走った。
「…っ!!」
うわ忘れてた…足挟まれて暴れた時思い切り捻っちゃったんだ。
捻挫…かな…?
足首はかなり腫れていた。
ついでに擦り傷もたくさんできて血が出ていた。
「…たく、しょうがねぇな」
ボソッとそう言った鏡は俺の前に背を向けて座った。
…前にもあったな、この光景…
恥ずかしいが、今回は素直に乗ることにした。
鏡は俺を背負って、綾瀬さんの方を向いた。
「…あ、綾瀬さん?、俺と優は先ホテル行っとくからみんなにそう伝えといてくれる?」
あ、ちゃんと翔の真似してくれてる!
綾瀬さんの名前はやっぱり覚えてなかったけど、翔のように振舞ってくれたことが嬉しくて、少し感動した。
「うん、わかった。二人ともごめんね
ありがとう」
そう言って綾瀬さんは走ってみんなの元へ戻っていった。
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