アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ファッションショー
-
舞台袖から少し暗くなった会場を見渡すと、広い体育館に人が溢れかえっていた。
土曜日なので他校の高校生もいて、こんな大勢の前でこんな醜態を晒さなければならないなんて…とため息が溢れる。
10時のチャイムが鳴ると、バチンと電気が落ち、司会者のみがスポットライトで照らされた。
「レディースアンドジェントルメン!お待たせしました!
いよいよハロウィン・ファッションショーが始まります!
趣向を凝らしたたくさんの仮装をどうぞ最後まで楽しんでください!
ではさっそく行きましょう!
トップバッターは2年A組鈴木美幸さんです!」
テンションの高い司会者の言葉を合図に、スタイルのいい女子の先輩がオシャレでちょっと色っぽい魔女の衣装でステージに出て行った。
会場に歓声が響く
やっぱりこういうのは女子がやったほうがウケいいだろ!
何が悲しくて男の女装まがいなコスプレを見たいと思うんだ!!
激しく抗議したいところだが全ては今さらで…
またため息がこぼれた。
舞台に出る順番はくじ引きで決められた。結果、俺は12人中12人目…
トップバッターとアンカーは避けたかったのに…
ヴァンパイア、アリス、フランケンシュタイン、赤ずきん…
ハロウィンに関係ないものも多いが、どれも手の込んだ衣装ばかりで見応えがある。
中にはノリノリの男子の女装があったりして笑いを取っていた。
おかげで、中盤で冷めて客が帰っていくことを望んでいたが叶わず、逆に会場の盛り上がりはヒートアップしていた。
…あ、そっか!俺も笑いを取る方向で行けばいいんだ!
よし!変に恥ずかしがらずにノリでやり過ごす!!
佐藤さんもノリノリで宜しくって言ってたし!!
そして11人目が舞台幕へと去っていき、俺の番が来た。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
83 / 182