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喫茶店 2
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「いらっしゃいませ。
ご注文はお決まりですか?」
「じゃあ〜…君で!」
「…非売品です」
”君で”じゃねえよ、カッコつけんな
さっきからもう何人目だ…
いい加減うんざり、ぃい”!?
ため息をついてると急に男に尻を揉まれた。
これまた本日何回目のセクハラだろうか…
「へー本当に男なんだ」
だったらなんだってんだよ
ニヤニヤしやがって気持ちわりい…
「触らないでくださ「いてえ!」…?」
拒否しようとすると男が突然痛みを訴えて手を離した。何があったのかと男の手を見ると、それは誰かの手によって強く握られていた。
「店員へのセクハラは禁止です。この汚い手を折られたくなければ即刻退出することをお勧めしますが?」
「しょ、翔!」
怖ぇぇ…俺以上に怒ってる…
そこには目に見えるような殺気を放った翔が立っていた。
翔が掴んだ男の手はギリギリと骨の軋むような音を立て、血が巡らないからか指先が青くなってきている。
男は慌てて手を振り払い、前のめりになりながら走って逃げていった。
「はー、ったく…」
「ご、ごめん」
翔って…怒ると口調が崩れてちょっと鏡みたいになるよな…
いつもと真逆な雰囲気になるから余計に怖い
「ん、優は悪くないでしょ。はっきり拒んでたし。…まあその格好が似合いすぎてる所為ではあるけどね」
「好きで着てるわけじゃない!」
「わかってるって。でも気をつけてね?」
困ったような笑顔で俺の頭にポンと手を置いて言った。
「…おう」
それだけで自分の頬が赤くなるのを感じて、俯いてしまう。
「翔クーン!ごめんちょっと手伝ってくれる?ミキサー調子悪くて〜」
エプロンをつけた女子が調理場から顔を出して翔を呼んだ。
「あ、今行く!じゃ優、頑張ってね」
「うん」
「すいませーん、注文いいっすかー?」
客に呼ばれて俺も仕事に戻った。
先ほど染まった頬を気にしながら…
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