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「…………っへ?」
マスターの言葉に驚きすぎて反応が遅れてしまった。
だって、お、お、お、終わらせちゃえって…な、な、何を?
「だから、正直に話しちゃえ。今」
えーーーー?
「ちょ、ちょっと待ってください!な、何をいきなりそんな!」
「理汰くん、辛いばっかりな関係なんてやでしょ?」
「そ、そりゃそうですけどそんなに軽く済むもんじゃ、」
「簡単な話。ケータイ貸して?」
「っえ?なんで…」
「いいから」
一瞬マスターの声が低くなって、情けないけどビビってしまい…
ケータイを出してしまった。
「な、何するんですか?」
「…」
おれのケータイを手にするなり黙々と操作するマスター。ほんとに黙々と。
「あ、あのマスター…?」
「はい、完了ー」
「な、何を…?」
「幸にメールした」
なっ……?
急いで送信BOXを確認すると、ついさっき送られたメールがあった。宛先は幸くんで。
内容は…
「ちょ、ちょ、マスターぁぁぁ?」
「そんなに怒らないで」
「お、怒ってないです!けどっ…」
ストレートに、幸くん、浮気してるでしょ?……とか!!!
「返信があるまでここにいなよ。一緒にいてあげるからさ」
「へ、返信なかったらどうするんですか?」
もうおれは涙目で。
「そん時は…別れちゃいなさい」
「そ、そんな…!!!」
「こんな一途な理汰くんにこんな仕打ちする幸にこだわるの?」
「こっ、こだわるとかじゃなくて!好きだから、別れるなんて、無理…」
あぁ、どうしよう。ホントに別れる事になったらっっ??
だってこんな…こんなメール、重すぎ!!嫌われる絶対!
「ど…どうしてくれるんですかぁ…」
「幸よりいい奴なんてたーくさんいるでしょ?」
「そういう問題じゃ…てか、いい人いてもダメですって」
「何で?」
「だっておれちびだし、かっこいいわけでもないし…いや、そんな事じゃなくて!!!…… あっ!」
ケータイが震えた。
慌てて確認した。
「幸?」
幸くん……だった。
でも
〝だったら、何〟
だったら、何って…?
それ
浮気、してるって…認めちゃう、の?
これ…嘘でしょ、
涙が止まらない。
さっき散々泣いたのに。
マスターがケータイを覗いて、何とも言えない顔をしてカウンターから出て来ておれの隣に座った。
そして、肩を抱いてくれた。
本格的に傷ついた。
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