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「うぷ…やっぱ途中で残せば良かったな…」
あれから梅酒を無理やり飲み干して、現在満を運んでいるところ。
こいつ、細いように見えてけっこう重い!鍛えてんのか!こいつ!イケメンなのに細マッチョなのかチクショウ!
幸い、おれのうちの最寄り駅と満の家は近いから別にいいんだけどさ…なんだかんだもう10時だし。眠くなってきたよ…明日もバイトあるのに。
あーバイトか…マスターに会わなくちゃいけないな。結局おれどうすればいいんだ?マスターにされるがままに流されていくのはダメだと思うし、でもだからといって恋愛感情はないって言い切れない…ような気がする。やっぱり不安定なときに支えてくれたっていうのがでかいし、惹かれてるのは確かだ。
「おためし…はダメでしょ……」
「何が?」
「え…そりゃマスターと………っん⁈え⁈」
「こんばんは。」
「ま、ま、マスター!」
後ろを振り返るとマスターがいた。うそ、なんで⁈てかもしかして聞かれた⁈
「この人どうしたの?誰?」
「えっ、あの、友達です。大学の…一緒にさっきまで飲んでて、酔いつぶれちゃったんです」
なんか、マスター私服だから別人みたいだ。
白いシャツの上に紺色の薄手のカーディガンを羽織ってて…髪をおろしてる。前髪も。
「あの…マスターもなんで…」
「ん?買い物だよ。もう店も閉めたし。牛乳買ってきたの」
少し上げた右手には近くのドラッグストアのレジ袋を持っていた。
「そうですか…」
「うん。ところで、大変そうだね。手伝おうか?」
「え、大丈夫ですよ」
「理汰くんも酔ってるでしょ?少しふらついてる」
「あ…はい…」
「代わりに牛乳持って」
返事をしないうちに満を引っ張って、牛乳を持たされた。
「案内して?」
「わ、わかりました…」
それから歩いて数分、満のうちに着いた。満は実家暮らしだから出てきてくれた弟さんに満を預けた。おれは何回か満の弟さんに会ってるからよかったんだけど、明らかに歳が違うマスターを見た弟さんはちょっと不思議な顔をしていた。…また今度満になんか言われるかも…
………それより……
なんでまたマスターはおれの手を握ってんだ…
「あの…マスター?」
「ん?」
「手…」
「やだ?」
「えぇっ…いや、その…」
やだ?って聞かれたらなんも言えないでしょ…
「そういえば、さっきおためしとか言ってたね?」
「えぇ⁈⁈ち、違、」
うそ、やっぱ聞いてたのか!
「しかも〝マスターと〟とか言ってたし、俺とおためしで付き合ってくれるとか?」
「あっ、え、違います!その…」
あぁああぁどうしよう!まさかこんなことになるなんて!
ええい!
「〝マスターと〟なんて言ってません!」
「…じゃあ違う人と?誰と?」
ぁああぁ違う!!
「違います!おためしで付き合うとかそういうんじゃ!」
「じゃあ何をためすの?」
「う、…あぁああぁ…」
「理汰くんって嘘つくの下手だよね」
もうだめだ。そのとおり。
「……マスターは意地悪ですよ…」
「好きな子には意地悪しちゃうタイプだからね」
そりゃあもうにこにこしながらそういったマスターはそりゃあもう楽しそうだった。
「からかってます?」
「全然。本気だよ。もう理汰くんを落とすのに必死」
「…っやめてください」
「ねぇ、おためしで付き合うって話、本気にしちゃだめ?」
!!
「だめです!!!そんなの!」
思わず大きな声を出してしまった。しまった。もう夜遅いのに…
と思っていたら、俺の手を握る力が強まった。
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