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寝室は、リビングと同じ壁紙で、雰囲気がよく似ていた。置いてあるクローゼットやベッドなんかも木製で温かみがある…てか、
…これ、本当にダブルベッドなのか?
でかすぎ??????
「あ、あの、マスター、」
「ん?」
「このベッド、ダブルサイズなんですか?」
「うん。親父はダブルのつもりで作ったみたいだけど…まぁ、でかいよね。ちょっと」
「え、これ手づくりなんですか?」
「そうそう。あと下の店の木製のテーブルとか椅子は全部手づくりだよ。親父の特技なんだって」
確かに、言われてみればなんとなく既製品とは若干違う雰囲気があるような気がする。でも、何も言われなければお店で売ってる物だと勘違いしてしまう。プロみたいだ。
「す、すごいですね…ダブルというか、キング…」
「このベッドに毎日1人で寝るのはねー、なかなか寂しいもんだよ。猫がここに来るのも、俺が寂しいって言ったからなんだよ」
冗談っぽく笑うマスターは、その笑い方とはうらはらに本当にさみしそうな顔をしていた。
「さ、寝よう、眠くなってきた。布団に入って。電気消すよ」
「あ、は、はい」
慌ててベッドに入った。…超はじっこに。
パチンと音がして、電気が消えた。
真っ暗だ。マスターは真っ暗にして寝るタイプなのか…とか考えたりして。
隣からゴソゴソと、マスターがベッドに入る音がする。ベッドが少し軋んだけど、おれの部屋にあるパイプのベッドよりも頑丈そうだし、不快な音ではない。木製のベッドってやっぱいいなー買い換えようかな…
…てか、おれ、今日幸くんのこと、振ったんだよな…もう恋人じゃないんだよな…なのに、おれなら真っ暗で、静かな空間の中で悲しみに襲われるはずなのに…何でベッドのことなんて考えてんだろ。
悲しいはずなのに…
辛いはずなのに…
あぁ…だめだ。きっとマスターのおかげだけど、これはだめだ。
頼って、って言われたけど、こんなのはだめだ。このままじゃ、何かあったらその都マスターに頼らないと生きていけなくなるんじゃないだろうか。
明日、お礼を言ったらすぐに帰ろう。
だんだんと、眠気が襲ってきた。
おれはそれに身を任せて、眠りに落ちた。
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