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大学で、満に幸くんと別れたこととか全部話した、後の第一声。
「………。ちょっと待て。もう一回説明しろ。意味わかんない」
ですよね。
講義中だけど、そんなの気にしない。
「だから、マスターの後押しのおかげで幸くんと別れられたんだけど…そのマスターから告白されたの」
「……へー」
「棒読みなんですけど」
そしてなぜか機嫌が悪い。
「それで?そのマスターのとこで働くんだろ?…付き合うの?」
「えぇっ…そんな事、今考えてないよ」
講義終了のチャイムが鳴った。
講師の先生がさっさと片付けている。
「無防備すぎ。そんなんだと、マスターに喰われるぞ。講義終わったし帰る」
「な、ちょ、満!そんなこと言うなよ…てか、待ってってば!」
手早くノートやらテキストをまとめて席を立った満を追いかけるように俺も席を立つ。
「なんでそんなに怒ってんの?…っあ、この前いきなり帰ったこと謝ってなかった!ごめん!ごめんてば!」
「そんな事気にしてない!“幸くん”の浮気現場見たんならしょーがねーよ。」
「じゃあっ、な、なん、ちょっと待って!速いっ」
満の歩くスピードが速すぎて息が上がってしまう。うまく喋れないし疲れる。
…と思っていたら前を歩いてた満が急に止まって顔を満の背中にぶつけてしまった。
「いった??????」
「俺が、一番気に入らないのは、なんも連絡してくれなかったことだよ!心配したんだぞ!あれから何回か電話もLINEも入れたのに返事ねーし!」
「あ…う…悪い…」
「あんな顔色変えて走って帰って、途中で事故にでもあったんじゃないかって………あぁ、もういい!」
また早足に歩き出した。
「え、おい、ちょ、許してよー!」
「じゃあ1番高い定食奢れ!1週間!」
「えっ……まじで……」
「じゃないと許さない」
「うぐ…お、奢るよ!でも…1週間は勘弁して!お金が!」
「マスターにいい時給で雇われるんだろ。口説き付きで。」
カァッと顔が熱くなる。
それを見て満がまた立ち止まった。
「………ガチで喰われるぞ。喫茶店の2階が家なんだろ?美味しいお菓子があるからとか言われて連れ込まれて喰われるぞ!」
「変なこと言うなよっマスターはそんな人じゃ…」
「お前、懲りてねぇな!幸くんだって見た目で好きになってろくでもねぇ奴だっただろ!」
「そ、そう、だけど!でも!」
「その続きはA定食を食べながら聞きます」
満は食堂のドアを押して中に入って券売機のA定食のボタンを押す。
「はい、お金入れて」
「………はい。」
渋々表示された金額を財布から出して券売機に入れた。…これで俺は当分うどんだ。(1番安いやつ)
おれと満、それぞれのトレーを持って席を探す。
「…そのマスター、ホントになんのやらしい下心もないならいい人なんだろうな。」
「まだ疑ってんの?…マスターはいい人だってば」
「根拠は?」
「え。だっておれの愚痴とかやな顔せず…」
「それは、お前の事が好きだからだろ。本人も幸くんと別れさせようとしたって言ってたって言ってただろ、お前」
「そうだけど!」
でもやっぱりマスターがそんな変なことするような人じゃないって思う…いや、しない!
「だ、だいたいそんな下心?があるっていうんならおれが泣きまくって泊まった日に、その、…やられちゃってんじゃないの?」
「……それもそうか…まぁ、それはいいとして、気を付けろよ。マスターだけじゃなくて幸くんも。」
2人用のテーブルを見つけて、座る。
「幸くん?なんで?」
「マスターが追い払ったからってあいつお前の家知ってんだろ?押しかけてこないとも言えないぞ」
幸くんが、おれの家まで押しかけてくる?
「ありえなくね?だって幸くんもう新しい彼女なり彼氏なり作ってるだろうし」
「そんなのわかんないじゃねぇか。もしかしたらそのどっちもなかなかできなくて、お前のせいだ!とか言って…」
「…そこまでおかしい人じゃないと信じたいよ」
「…まぁそんな事態になったら絶対連絡しろよ。助けに行ってやるから」
満は普通におれの金で買った定食を食べ始めた。…もっと美味しそうに食べろよ…
「ん。ありがとう」
「次になんも連絡よこさなかったら本気でゆるさねぇぞ」
「はいっ」
怖い…
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