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死が二人を分かつまで~パラレルペダルT2~R18腐二次創作T2その愛と死
純太を奏でる~R18腐二次弱ペダ葦木場目線〔リク〕
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〔Hさんへ。たいせつな妹へ〕
嵐のようにピアノを弾く
指も折れよ!
鍵盤割れろ!
会場砕けろ!
地球滅び…
『激しく心を揺さぶる演奏!』
『タクトは21世紀を代表する』
讃辞まみれの新聞を、びりびりに裂く。
こんなもの!
こんなもの!
こんなもの!
世界中の讃辞より、僕は純ちゃんの喘ぎが欲しいんだ!
あんなに迫ったのに、あんなに乞い願ったのに、純ちゃんは抱いてくれなかった。
指輪して。
ちっぽけな指輪して。
そんな細っこい指輪一本で、純ちゃんを雁字搦めにしてるあの金髪…
殺す…!
気づく。
もう死んでる…
殺す自由もないのか僕には…!
そのときドアブザーが鳴った。
「純ちゃんっ」
飛びついていって、抱きついて、押し倒したらもう止まらなかった。
タキシードを剥ぎ、スラックスも下着も剥いだ。
キスし倒して俯せにして指つっこんだら、うあってうめいてる。
純ちゃんっ純ちゃんっ!
俺には純ちゃんにしか見えない。
声も違う。
反応も違う。
別人だとわかってるのに、止まらない。
止まらない。
止められない。
僕の体形に似たすらりと長い剣で後ろを貫く。
錯覚で、純ちゃんとつがってる僕は、喜びに満ちて、漲ってる。
でも違う。
だいたい僕がヤる側だなんて!
こんなの、こんなの絶対違う…
「俺もやられる側じゃねえよ」
純ちゃんだったものがゆらぎ、よく見るとユキちゃんに、黒田雪成になってる…
十年分…年とって…
「悪かったな年とってて。でもてめえも同じだけ年くったんだぞ」
口悪い。
水色っぽく染めた髪も昔通り。
僕は半裸のまま、その場でしゃくり上げ始めた。
「どうしてユキちゃんなんだよ…欲しいのは純ちゃんだけなのに。どーして違うもんしか手に入んないんだよ。どーしてだよお」
泣き出した僕をあやすように、こちらも幸裸のユキちゃんが僕を抱きしめる。
かわいそうに。
かわいそうにな拓斗。
でもな。
無理なんだ。
何もかもは手に入んねーんだよ…
その晩僕はユキちゃんと契った。
今夜だけ二人だけになろう。
過去のことは思い返さない。
先のことも考えない。
ただ今だけ。
上になり、下になり、攻めになり、受けになり、僕らは快楽だけを分かちあって、未明に別れた。
その日の演奏は、史上稀にみる名演奏と評価された。
僕も内心そう思っている。
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