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嫌な予感ほど当たるもの
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中1の頃から城島は真白のことを好きだったと思う。なんとなくだけど。
好かれてる本人はそんなこと知りもしないでバカみたいに仲良くしてた。それは俺に対しても同じか…
そんで事件があったのは中2の夏、宿泊研修の時だった。俺は、あいつとは違う班だったから肝試しももちろん一緒じゃない。あいつと城島は同じ班で、怖がりなあいつは城島の服の裾を握っていた。それにイラッとして噛み付いた気がする…
先にゴールしてた俺達の班は次にゴールしてくるあいつらの班を待っていた。
帰ってきたのは真白と城島をのぞく5人…
班のやつから話を聞いた俺は先生たちと一緒に音がしたというところまで走った。嫌な予感がして、冷や汗が止まらなかった。
探してると下の方から真白の泣いているような声が聞こえて俺は迷わず崖の下まで滑り降りた。土や草などで怪我はしなかったが降りた先には月明かりで照らされた真白の上に跨る城島がいた。
…ほら、嫌な予感ほど当たる
なにかがキレる音がしてその時にはすでに城島に殴りかかっていた。
そこから先はあまり覚えてない。
気づいた時には先生たちに押させ付けられ、城島は先生に担がれて、真白は泣いていた。
真白をおんぶして帰ったとき、震えて泣くこいつが小さく思えて、好きなやつ一人守れなかった悔しさに俺まで泣きそうになった。
そして、二度とこんな悲しそうな泣き顔はさせないと心の中で背中のやつに約束した。
そしてしばらくして城島が俺と真白に謝ってきたとき、真白が好きだったと言った。
ああ、やっぱり嫌な予感は当たる…
俺は真白に告白の返事をさせるのが嫌で、強引に手を引いて家まで帰った。
いつもだったらギャーギャー文句言うくせにこの時はやけに大人しく俺にされるがままあいつは手を引かれていた。
それから間もなくして城島は転校していった。
……なのに、なのになんで今さら戻って来んだよ。あぁ、まただ。この嫌な予感は。
頼むから、当たらないで。
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