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晩ご飯
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「真白ー!!晩ご飯できたよー!!!あと、しーくんにも持って行ってあげなさーい!きっとまたマシュマロとかばっかしか食べてないだろうからー」
キッチンのほうから母さんの大きい声が聞こえて部屋を出る。
テストまであと少しなので、最近は夕飯の用意は母さんがしているから、俺はテスト勉強をしていた。………全然わかんねぇけどな…
「えぇー!!お兄ちゃんしーくんの家いくのー?!ちよも行きたいー!!」
母さんの声が聞こえたのか蝶羽まで行きたいと言い出した。
「………めんどくせぇ、うざいからついて来んな」
「真白!女の子に向かって口が悪いよ!!蝶羽は行かなくてもよろしい!さっさと晩ご飯食べちゃいなさい!!」
母さんは昔から、女の子に対しては優しく接しなさい、男が守りなさい、とかこういうことに関してはうるさい。だから俺も学校とかでは女の子に対しては優しい…と、思う。………蝶羽は別だな妹だし…
「ほら真白!あんたは早くしーくんの家にご飯持って行ってあげな!!ついでに一緒に食べておいでー!」
「……はいはい」
母さんに急かされ、押されるようにして家を出された。…………すぐそこじゃん…
徒歩10秒で玄関の扉の前についた。
インターホンを押してるけど、出てこない。
「………いないのか?」
携帯に電話をかけてもでない。
試しにドアノブをひねるとガチャ…と音がして扉が開いた。
不用心だな…鍵くらい閉めとけよ……
「……おじゃましまーす……」
獅音の両親の紗雪ちゃんと晴也くんは元モデルということもあってか、芸能事務の社長と副社長だ。だから家にいることが少なく、姉の三人も大学生で家にはいないので、基本家には獅音一人ということになる。
家の中は真っ暗で、唯一獅音の部屋だけ電気がついていた。
「………おい、晩飯もって…き、た…けど……」
部屋に入ると、机の上にたくさんの参考書やら問題集やらを広げ、シャーペンを握ったまま眠っている獅音がいた。
「…………寝てるし…」
勉強で疲れて寝ているんだろうから、起こしていいものか、そのままにして俺だけ晩飯を食って残りを置いて帰るべきなのか悩んだ。
……まだ晩飯食ってねぇだろうから腹減ってるよな…?
「…………獅音…晩飯あるけど…食う?」
肩をトントンしながら控えめに声をかける。
「ん……んん……」
……………起きんな…
そんなに疲れるまで何を勉強すんだよ…無理に起こしたら怒るかなー……寝顔まで綺麗とか腹立つなー……殴って起こそうかなー…殴り返されそうだからやめよ……
俺は、ベッドに転がって雑誌でも読みながら獅音が起きるのを待つことにした。
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