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少しだけ
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こんなに近くで抱きしめられて、獅音に心臓の音が聞こえてそうで気が気じゃない。
久しぶりにこいつに触れてドキドキしすぎて涙でそう。……女かよ…俺キモ。
実を言うと何だけど、酔ってえっちされたことそんなに怒ってるわけじゃない。…そりゃかなり、めちゃくちゃ、泣きそうなくらい、痛かったし、それに本人は記憶ないし。……………けど…普段言わないけど…いっぱい好きって…言ってくれた、し……結局は俺も…気持ち……よかった、し、な………うん。
こいつチャラそうな見た目してるくせに真面目なとこあるから、きっと俺が言ったことよく分かってなくても、自分が悪いって思って距離置いてんのかな……
…涙にも言われたけど、ここ最近触ってない、ちゅーだってしてるわけない………自分からしばらくえっちしないって言ったけど、明確にいつまでかは俺すら分かってない………そんなときに、いつかのお昼休み女の子に連れられてどっか行ったのめちゃくちゃ不安になって………我ながら我儘だと思う。前はこんなんじゃなかったのに………こいつは俺に触れらんなくてもどうも思わないのかなとか、やっぱ女の子がいいって思うのかなとか……………自分からあんなこと言っといて、触りたいとかちゅーしたいって思ってるのはほんと我儘で馬鹿だなと自覚はある。………でも…そう思ってることを伝えるのは…俺ばっかりがこいつのことすげぇ好きみたいで癪……
……それに…俺がこの2週間ちょっと、こいつに自分から触れにいかなかったりちゅーしたりしなかったのは、もっとしたくなりそうだったから………だから…触りたいとかちゅーしたいって思ってても…触れなかったというか、なんと言うか…………だから、今はかなりピンチなわけであって…慌ててるわけで………ほんとにこのバカは分かってねぇ……俺がこんなことで慌ててんのも知らずに抱きしめて寝やがって……それにずっときつく抱きしめてればお前のせいに出来たのに、あんなこと言ったあとに緩めたりすっから俺が自分の意思で引っ付いてるみたいで恥ずい……まあ…実際そうなんだけど………
モヤモヤしてるといろんな気持ちが混ざり混ざって、ぐちゃぐちゃになって、涙が出てきたけどもう自分の意志では止らんなかった
「………ずっ……ぐすっ…くそ……止まれ、よ…ずずっ…」
こらえようとするけど、涙も止まんねぇし、鼻水は出るし、もう最悪………この意味の分からん涙を早く止めないとすぐ近くにいるこいつにバレる……。
「……ん……?……」
獅音がゴソッと動いて起きそうになる。それでも涙も鼻水も止まんねぇし、こいつの匂いにさらに涙腺が緩む。
「……ひぐっ……ずっ……」
「………ん…ん…?……は?…なんで、泣いてんのお前……え、…あ、………わりぃ…」
俺がないてるので目を覚ました獅音は、はじめは目の前で泣いてる俺を見てびっくりしてたけど、自分が抱き締めてるのが嫌で俺が泣いたと思ったのか、腕を離して起き上がろうとしていた。
………ちがう…お前が悪いんじゃねぇ……抱きしめられてるのが嫌で泣いてるわけじゃねぇ……嫌なわけあるかよ……もう、ぐちゃぐちゃ……頭がいっぱいで自分でもわけ分かんねぇよ…………でも…我儘だけど…今は、離れないでほしい……
言いたいのに言葉が出なくて、離れてほしくなくて、自分から獅音に抱きつく。
「…………どうしたのお前…嫌じゃなかったの…」
抱きついた俺に少し驚きながらも、俺の背中をポンポンしてくれる。
嫌とか、そんなの思ってない。こんなに泣いてんのも自分でも分かんねぇよ。お前といると涙腺緩くなってる気がするわまじで。
「………泣き止めよ……お前が泣いたらどうしたらいいか分かんなくなるんだって………頼むから、泣き止んで…」
髪を指でゆっくりと梳きながら、髪や耳にキスしてくる。
………そんなの…馬鹿じゃねぇの…さらに惚れるわカスが…
「……………なぁ…ちゅーしてもいい?」
ほんとこいつはバカ真面目野郎だな…いつもみたいに自分のペースでやればいいのに、きっと俺をキズつけないように、慎重に、控えめに、かすれるような苦しそうな声で聞いてくる。
…………好きだ、な……
「……ぐずっ……すこ、しだけ…な………んんぅ…っ…」
断るわけない、拒絶なんてするわけない、こんなに…泣くくらい…お前の事好きなのに…ほんとはお前にならわりかし何されたって許せるんだってば……だけどむかつくから……今回はちょっと意地張ってるだけ……
……少し……少しだけ………きっといっぱいちゅーしたらまたしたくなる………だから、少しだけ……
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