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奥の手
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「あぁー…そーか、帰りたいのかぁー…なら、しゃぁねぇなぁー……」
「…な、なにが…だよ…っ!!!」
ちらっと真白のほうを見ると、不満そうな顔で俺を睨みつけてる。
…相変わらず目つき悪っ!俺も人のことは言えねぇけど…
「ん?べつにいいよ、気にすんな?」
まあ、少し機嫌損ねさせたほうが面白そうだし、もう少し煽ろw
「お前はもうクラスマッチ出る気ねぇみたいだし?関係ねぇから、気にすんなって。な?」
「ゔぅー………あぁぁあ!!…ったく!なんなんだよ!!気になるだろーが!!!」
「え?!そんなそんな……無理すんなよ」
「…っいいから言えよ!!色々と白々しいわ!!」
……ワザとやってんだよ。バーーカ。
お前のへったくそな演技と一緒にしてんじゃねぇよバカマシュマロ。
「…んー……お前がクラスマッチに出るなら…これ、やってもいいかなって……」
財布に入れてた紙を真白の目の前に出してヒラヒラっと揺らす。
「…な、に…それ」
「よく見てみ?」
ニヤッと笑って紙の動きを止め、もう一度真白に見せる。
「…っわ…ぁ……ピュアジェーン…の…」
食いついたw
「そ。駅前の有名スイーツ店ピュアジェーンのケーキバイキング半額券……母さんたちの会社行った時、琴音と花音から貰ったやつ」
つい昨日、俺の姉貴、双子の琴音と花音に、母さんが社長で父さんが副社長やってる会社まで撮影があるからと荷物持ちに呼び出され、機嫌が良かったのか手伝ったお礼にと、この半額券をもらった。
あいつら、真白のことかなり気に入ってるから
『一枚はまーくんにあげなさいよ!』
『ほんとは私達も行きたかったけど、仕事だからねー…音乃も誘ったけど、無理みたいだしー…』
『だから、あんたが連れて行ってあげてね!』
『『………まーくんにやらなかったら、タダじゃおかないからね。わかった?』』
俺のもう一人の姉、音乃と真白にはやる気満々なのに俺はついでみたいな感じで言われたけどな。ま、ケーキバイキングにいけるならいっか。
という事で二枚もらった。
もともと渡すつもりではいたけど、丁度いいからコレで釣ってクラスマッチに参加させようというわけだ。
こいつは甘いもの大好きだから、これなら楽勝だな。
「…でもまぁ、出るならやろうかと思ったけど、お前が出ねぇっつーならしょうがねぇよな……」
「…う、ぅぅ……ぅっ…」
迷ってる迷ってる。
あとひと押し…。
「あー、そういえば新作のレアチーズブルーベリータルトが美味しかったってクラスの女子が言ってたな………お前が出ねぇなら、蛍に渡して二人で行くのもいいかも…」
「……ぁ…っ…ぇ…!!」
「…ん?どうした?」
「…まって……ぅ……ぇ、で、出るっ!!」
はい、ミッション終ー了ー
………こいつ、ちょろ…
「ふーん……じゃ、コレやるよ」
「……ピュアジェーン…の、ケーキ…」
………子供か!
こいつの周りに花が見えるわ!!どんだけ行きたかったんだよ…てか、行きたかったんなら言えよ……
「ま、運動音痴なりに頑張れ」
「う、うっせぇカス!!お前とかバスケットボールで顔面強打して鼻血だして保健室に運ばれてろ!!」
「………俺の心配より、自分の心配したほうがいいぞ?本気で…」
「…うるせぇ、黙れよ!ばか!ボケナス!カス!」
「………人にモノを頼むときは…」
「……ぅ、うぅ……ルール…教えてください…」
「ん。よろしい…」
さて、バスケに行く前に、運動音痴過ぎるこいつに野球のルールを教えてやるか……
出させることに成功したのはいいけど、本気で心配だわ………
………顔面にボールくらって鼻血出して保健室に運ばれないか………
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