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ヤキモチでも
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獅音side
………おはようございます。朝です。
そして今日も学校です。
俺は珍しくも早くに目が覚め、隣で寝てたあいつは眉間にしわ寄せて寝言を言ってた。
まぁ………昨日あんだけ詰め寄られたらな……。夢にまで出てこられるなんて災難だなと思った。
昨日、風呂あがってグチグチ言い合いつつ真白の髪を乾してやってたら、医大に通う3番目の姉の音乃が肉じゃが持ってフラーっと帰ってきた。仲良くなったね、と言われたので色々言い訳すんのも煩わしくて、付き合ってることを言ったら、さらに面倒くさくなった。…………真白が、だけど。
久々に会ったからとマシンガントークをかまさられ、色々質問されまくった挙句、酔った音乃に抱きつかれたまま寝られ、本当に災難だと思う。クラスマッチで媚薬飲まされてたのといい………運悪すぎだろ。
そんで今は腰が痛いから自転車の後ろに乗せろと言われ、一緒に登校中。
…………そんで俺は精神統一。………朝からこんなに引っ付くのはあまりよろしくないと思います。はい。……嫌じゃないけどな。
「………痛い……視線が痛い」
「………目を合わせるなよ。ひたすら俺のカーディガンの繊維の網目でも見てろ」
「…そんなん酔うわアホかお前」
毎朝、この視線と登校時間と闘ってる俺を褒めてほしい。いつもは遅刻しないために結構なスピードで自転車漕いでるから視線合わせなくてすむけど、自転車を置いてからが疲れる。声をかけられないように教室まで猛ダッシュ。おかげで朝っぱらから疲労感半端ないです。
でもまぁ、今日はこいつがいるから何とかなると思いたい。
「んー?一ノ瀬と朝霧じゃん!おはよぉー!!」
自転車置き場の近くに来た時、横から明るい声が聞こえた。
「昨日はごめんなー?まさかあそこまで効いちゃうとは思ってなかったわー。今度学校に持ってくるときは、もう少し優しいのにしとくなー?」
……………来たか。薬飲ませた張本人。
「…はぁー……岡崎……ちょっとこっち来ようか」
あんまり警戒させたらいけないと思って優しい表情作ってやったのに、こいつもいつもの人当たりのいいニコニコした顔で首を横に振って後ずさりする。
「いやいやー、遠慮しとくよー!でも、なんだかんだ言っていい薬だったと思うよー?…………ん?あら、朝霧こんなところに葉っぱがっ!!」
「…っんん?!?!急になんだよ!びっくりするだろ!」
そう言って真白の肩をグイッと自分の方に寄せ、真白の首元の髪をサラッと上げ、俺が昨日つけたキスマークを指さしてこっちを見てニヤッと不敵に笑った。
「………………」
「もう取れた??」
なにも分かってないこのアホは、本気で葉っぱがついてるのを取ってもらっていると信じていたらしく、岡崎を見上げる。
「うん!取れた取れた!!」
「おーサンキューな」
「いえいえー!」
いつものニコニコ笑顔でそのまま真白の頭をなでた。
…………………俺の方見て。
…こいつぜってぇ性格悪いだろ!てか、俺の反応見て面白かってんのわかるから真顔だけどな!こいつSか!サディスト野郎か?!!てか、ぜってぇそうだろ!
まぁ、面白いか面白くないかで言ったら、そりゃいい気はしねぇわな。
「…おいアホ。教室まで俺のカバン持ってこい」
「は、はぁぁぁあ?!?!ふざけんな!!自分で持って行けよ!!俺持って来ねぇからな!!置いてくかんな!!!」
とりあえず無視。だってなんだかんだ言っても必ず持って来るだろうから。
「一ノ瀬wwwwwwwwwwww可愛いwwwwwwww」
「はぁ?!あいつのどこが!!!ヘタレライオン野郎が!!」
「ライオンってwwww噛みグセまだ治んないのかーwwwwやっぱりかわいーーwwwwwwwwwww」
「………………」
遠くなる二人の声がなんともイラつかせるけど、我慢……しよう
「なぁ朝霧ー、俺さおすすめの場所あって、今から一緒に行かない??」
「??二人で?どこだよそこー」
…………………
「秘密だよ、だから行くんじゃん」
「んー、別にいいけ、っぅんん?!…っふぅ…んっ」
別によくねぇだろ。アホ。
…………あ………しまった……
こいつらの会話に我慢できなくて、このアホが行くとかいうから、途中まで行ってた道を戻ってきて、思わず岡崎の前でちゅーしちゃったけど、これはやばいー………
「っぷははは!!!やっぱりwwwwwwwwwwwwごめんね一ノ瀬、大丈夫だよ嘘だからwwwwwwwwほんとお前可愛すぎかーwwwwwwww」
「……………岡崎………お前…」
大方からかうための嘘だったんだろう。昨日といい今日といいやってくれるな。
俺は腕の中のやつが真っ赤になって震えてんのを他のやつに見せたくなくて、手を引いてとりあえず校内に入って空き教室にでも向かう。
「行ってらーwwww」
ひらひらと陽気に岡崎が手を振る。
いつかあいつに仕返ししてやりたいけど、きっとまた今日みたいになりそうだから、極力関わりたくないと思った。
「っちょ!おい!!どこ行くんだよ!!教室反対側だぞ!!」
「…うるさいちょっと静かにして」
ガラガラっと扉を開き、ちゃんと鍵を閉めてスタスタと中に連れて行く。
「??どーしたのお前?」
「………うるさい。お前がわるい」
「っんん?!?…ふぅ…ぅ、んっ…んん」
ぎゅっと抱き寄せたまま上から噛み付くようにキスをした。
でも、いつもだったら学校でこんなことしたら絶対押し返したりするくせに、今日は腕を首に回してきて拒否る様子も無い。
………こんな小さなことですら、こいつからされるだけで、内心めちゃくちゃ嬉しくて、さっきまで岡崎に妬いてたことも段々どうでも良くなってくる。……単純だな。
「…っん…………終わり?」
「……ごめん……口噛んだりしてない?」
少し乱暴にした自覚があるから、勢いでこいつの唇噛んだりしてないか心配になった。
「別に平気……………ライオンにヤキモチ妬かれるのちょっと嬉しかったりしたから、もし乱暴にされて傷つけられても、それはそれでいいよ」
………気づいてたのか……
ニヤッと笑ってまた俺に軽くキスしたりするから、そんなのが可愛くて、俺が無理なんだけど。
その後空き教室でる直前に、耳元で
『お前のマシュマロ君は他のやつに目移りする暇とかないくらいお前に夢中だから、ちゃんと見張っててよ』
って言われた。
こいつは一体どこでそんな技を覚えてくるんだ………。あんまりそういうことされると、俺の心臓が持たないからほどほどにしてほしい。
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