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勘違い
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真白side
「………………」
「………………」
あれから、腕を引かれてマンションに戻ってきたはいいけど、この格好のまま俺の家には行けないということで獅音の部屋にいるんだけど……
…なんか、こうなると喋りづらい……。
まぁ、殴ってやりたいとは思ってるけどな!!
「……あーーーーー!!!!!!」
「っ?!?!?何いきなり?」
ジーッと正座とかしてんの耐えられるか!!
そう思ってボフンッと獅音のベッドに倒れこんで毛布にくるまる。
…スカートだから太腿に毛布の生地が当たるの変な感じ……気持ちいけど…。
「…あのさ、別にさっきのあれ……されたくてされたわけじゃねぇよ?」
ベット横にもたれかかってんのか声がすぐ近くに聞こえる。
「………んー…」
そんなの分かってるっつーの。てか見えてたし…。
だいたい本当は俺が行く予定だったのに、なんか別の子が彼女です、って言ってたし…。あれか…元カノとかいうやつ?
……めっちゃ引っ付いてた…。ちゅーもしてた…。
……昔は知らねぇけど、今は俺がこいつの恋人なのに。
「…じゃ、嫌ならしばらくちゅーしない?」
「っ!!!…………」
ヘタレがそんなこと言い出すから、毛布から顔だけだした……そしたら思いの外距離が近くて目がバチッとあった。
……何も言えなかったけど…。
なんだよそれ…女の子とちゅーして、もう俺としたくなくなったとか?
ふざけんなしバカアホカス!!!!
もう飽きたとか……そんなん言われたら………俺どうもできねぇじゃん…。
「…………っ、ど…でも…いぃ」
また毛布に潜って、泣きそうなのバレないように枕に顔を埋めて答える。
~~~~っ!!!あーーもーー!!!余計泣きそうなってきたし!!!部屋も枕も毛布もベッドもこいつの匂いでいっぱいだし!!でもいまベットから出たら泣きそうなのバレるし!!!
カスライオンがお前がボーッとしてたからちゅーとかされんだバーカ!!!!!
てか、どうでもいいとか思ってないくせにそんなこと言ってる俺のほうが馬鹿だよ!!!!
……くそ……俺こんなに不安にさせてんじゃねぇよ…
「………嘘だよ…。ちょっとからかってみただけ」
かぶっていた毛布を剥がさられて髪を梳くように頭を撫でられる。
「~~っ!!」
意味わかんねぇよ!!マジこいつ殴り殺したい!!
「ゆ、許さんっ!!なんてやつだよお前!!俺がそれやりたいわ!!元カノだかなんだかしらんけどちゅーしやがって!!!めっちゃ引っ付いてたし!!!」
獅音の枕とかクッションとかをボカボカ投げながら言い返す。
「…は?」
惚けたフリしたって見てたんだからな!!今さらさようならとか言いやがったらマジぶっ殺す!!!
「は?じゃねぇよ!……今は俺と付き合ってんじゃねぇの?…なのに、このカス!!アホ!!バカ!!………もう飽きたなら言えよ……俺ばっか好きみたいで腹立つだろ!!」
投げるものなくなって近くの本棚から参考書とかを投げ始める。
!!これもあれも全部燃やすぞ!!!!てかお前ごと燃えろ!!!
「まてまてまてまて痛いから。……え?元カノ?……待って?」
余裕で取ってるし………。
反射神経も麻痺しやがれってんだよ……。
しらばっくれたフリするし…っ!!
「…なんか、ちゅーしてきた人………元カノとかいうやつだろ」
「はい?!ちげぇよ!!!あの人全く知らない人なんだけど?!通りすがりって言ってたろ!見てたんじゃねぇの?!」
俺が言った言葉に本気でびっくりしたように獅音が声を出す。
てか、通りすがり?!なんだよそれ!!
「は、はぁあ?!み、見てたけど声まで聞こえるかよ!!………なんだよ…通りすがりかよ…」
勘違いしてたってことかよ……はぁー…。紛らわしいっつーの!!!
「…え…そこは怒ってねぇの?!」
「は?通りすがりのやつにキレたって何も言えねぇだろ!てかお前がボーとしてるほうが悪いわ!!女の子のせいにすんなよ!!」
通りすがりの子に罪はないわ!ちゅーしたのは嫌だったけど!!だいたいお前が無駄にいい顔してるのも、ボーとしてたのが原因だろ!!
「はぁぁあ?!それ言うならお前が全然こねぇのが悪いだろーが!!うんこか?!うんこしてたのか?!遅ぇんだよ!!」
っ!!!!
そうくるか!!
これには深いわけが!!!
「うんこ?!違うし!!そ、それはっ!!…この格好で……男子トイレ入っていいのか女子トイレはいるのか悩んでたんだよ!!」
「……なんだよそれ………どっち入ったの…」
横目で呆れたようにため息をついて聞いてきた。
……………………。
「い、言わない………。」
……無理。…これは俺の黒歴史となるからぜってぇ言えねぇ……
「………は?……てことはお前……女子…トイレ……に……」
ハッとしたような顔でこっちを見つめられる。
「ち、ちげぇよ!!!男子トイレ入ったわ!!!そしたら知らないやつから尻揉まれたから!!女の子じゃないって証明しようと思って服上げたら絶叫されて……」
「…ぷ、ぶはははは!!!絶叫てwwww…あれか、女のおっぱい見れると思ったらぺったんこだったからかwwwwwwww」
「し、知るか!!!そしたら店の人トイレに入ってくるし!!俺のこと女だと思って店の人もその状況見て絶叫するし!!説明してたら出るに出れなかったんだよ!!」
こっちだって災難だったんだぞ!!!
ひぃひぃやって爆笑しやがって!!!!
「でもまぁ、二人ともおあいこってことだな。うん。」
「はぁ?!?!お前より俺のほうが重大だわ!!」
「はぁ?!それ言うなら俺とかちゅーだぞ?!俺のほうが災難だろーが!!!」
それからもギャーギャー二人でしばらく言い合った。
まぁ、勘違いですんでよかった………のか?
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