アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
再会
-
「…ん…ぅ……」
賑やかしい声に起こされ少々怒ってらっしゃる様子。……俺は悪くねぇ。
案の定俺の方を睨んできた。いや、だからおれわるくねぇっつーの!!てか寝起き悪すぎかよ!!昨日も朝無理やり起こしたら朝っぱらから襲われそうになったし!!やっぱカスだな!!!!
それでも女子はすごい。そんな獅音にも怯むことなく立ち向かっていった。
「おはよー獅音クン!転校生のヒナちゃんすっごい可愛いよー!!…ヒナちゃん、獅音くんほんとすっっごいカッコイイよ!!」
「はじめまして、獅音、君、でいいのかな?…よろしくねっ!」
まだ眠たいのか俯いたまま髪をクシャッと触ってからのそのそと顔を上げた。
「あー、うん。……よろしく?」
眠たげな目をこすりながら適当に返事してた。
すると桃山ちゃんがガバッと獅音の机に手をついた。
?!どうしたどうした?!?!
「っっきれーい!!獅音君すっごいタイプ!!…この間会ったイケメン君にそっくりー!!!」
……んん…?………なんか……そのワード………どっかで…
よく思い出せないけど、どっかで聞いた気がするな……テレビか?
んー、と考えていると桃山ちゃんの迫力に驚いたのか、目を少し見開いて今度はちゃんと桃山ちゃんの方を向いた。
「…はぁ……人違いじゃな……………あぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!」
「っっ?!?!?!?!」
なんだよ?!?!いきなり大きな声出して立ち上がるから俺もびっくりしただろ!!……え、…知り合い、なの、か?……見たことないけど。
「あ、あんた…こないだの…っ!!!!」
「あー!やっぱりー!!この間街であったイケメン君だー!!!ほらー!やっぱりまた会ったー!」
会ったことあんの?!街で?!……え、こないだって…いつ??
すると椅子から立った獅音が俺の方を掴んで立たせて、それから桃山ちゃんの前に立たせた。
「?!?!え?!え?!なに?!」
何をこいつはこんなビビッてんの?!ヘタレか!!桃山ちゃんってそんな怖い子なのか…?!
「ねー!あれから待ってた子には会えたー?あれってピュアジェーンから出てきた後だったんでしょ?彼女待ってたの?」
桃山ちゃんが面白そうに俺と獅音に詰め寄ってくる。他の女子は獅音に彼女がいるという単語に対して騒いでいる。
…ん?……待てよ…ピュアジェーン…?…この間…?……………………っ!!!
ま さ か っ!!!
思い当たることがある!!多分間違いない!!そう思ってガバッと獅音の方を振り向く。
少し青ざめた顔でコクコクと頷く。
やっぱり……。
「私服もカッコよかったけど制服だとちょっと親近感わくよね!同じクラスになれて嬉しいな!」
「…俺は全然嬉しくねぇけどな、通りすがりの女め…」
俺の後ろでボソッと桃山ちゃんに聞こえるくらいの声でそんなことを言った。
「……通りすがりの女…?」
やっぱ聞こえてるし…
「…おい」
もっとオブラートにつつめよ…。
この間ピュアジェーンに二人で行った時に、俺が女装して知らん男にケツ触られて色々大変なことになってた時、こいつはこいつで、こう…面倒くさいことになってた時に現れた女の子が桃山ちゃんってわけだ。……そして、獅音に助けてあげたお礼と言ってキスして去っていくということがあったわけで。
まぁ、警戒はするよね。ここまでされといて警戒しなかったら俺が後でしばくけど。
はぁー…、と面倒くさくなったなと呆れてため息をついたら、俺達の近くにさっきまでテンションが低かったにっしーが割り込んだきた。
「一ノ瀬!!桃山…さんと、知り合い?!友達?!」
「はぁ?!友達なわけねぇだろ!」
「えー、ひどー!!」
「…………」
三人ともそれぞれすごい勢い……。
間に立ってる俺、めっちゃ疲れるんだけど。
「え?!友達じゃないの?!でも知り合いだろ!?いっそのことなんでもいいよ!!桃山さんに学校案内とかいろいろ教えてあげて!!お願い!!!頭いいし余裕あるだろ?!」
にっしーがめちゃくちゃ必死に獅音にそんなことを頼み込んできた。
……これは……無理…でしょ…。
「は?!無理無理。俺勉強するし!!他のやつに頼んでください!!俺嫌です!!」
「先生に賛成!!よろしくね!!」
さらに必死に獅音が断る中、桃山ちゃんは呑気に手を上げて賛成してた。
「頼む!!!!お願い!!!一生のお願い!!!」
「無理!!無理無理無理!!!!」
「いいと思いまーす!!」
「…はぁ………」
一生のお願いとか……小学生か。
あーもうこのやりとり早く終われよ……もう一時間目のチャイムなったよ………どうせにっしーの数学だからいいけど…。
「こんな女の面倒見るとか俺は無理です!!」
「……っっ………そ、れが……だな」
獅音の言った一言にまたどんどんとにっしーの覇気がなくなっていく。
……?!…どーした?!
「ん?女?………あれ?……僕言ってなかったっけ??」
目の前の桃山ちゃんはきょとんと首を傾げる。………あ、可愛い。
桃山ちゃんの仕草に可愛いと思った直後に、なんとも恐ろしいことを言い出した。
「…勘違いしてるとこ悪いけど……
僕、
男だよ?」
そう言って桃山ちゃんは俺達の目の前でピラっと制服のシャツを胸元まで上げた。
「「ギィィヤャァァァァァァア!!!!!」」
そこに見えたものは、膨らみなんてなく程よく筋肉のついた男らしい胸板でした。
「…あぁぁ……こんな転校生初めてで俺どうしたらいいか……うぅ、禿げそう…っ」
シクシクと泣くにっしーの声がかすかに聞こえたけど、そんなのより、目の前の景色にただただ驚いた。もちろんクラスのみんなも硬直。
「絶叫するとか真白くんも獅音くんもひどい!!…女じゃないけど、獅音くんのことは気に入っちゃった!!」
あぁぁー……なんか、デジャブだこれ……
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
174 / 315