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兄と弟
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「…ちゅ、ん……しぉ…ん……ぅんっ」
「…ん、ぅ……?!?!…ちょ、…まて…んっ………まてっ…てば……ひぃぅッ!!?!?」
止めようと思って肩を軽く押してやるけどそんなことしたら更に強く抱きついてきて、しかも俺が背中弱いの知ってか知らずか指でツーっと上から下になでて、唇もぺろっと舐められ、満足そうな顔で何故かほっぺを抓られた。
……全く意味がわからん。
「…いひゃい……はなへよ…」
「…バーカ………ん…」
そんでまた抱きつくし……一体なんなのこいつ……
「…柔らかいものフェチ甘党ガリ勉バスケオタク手先不器用ヘタレ馬鹿アホ変態カス身長デカいから無駄に面積とるしフェロモン撒き散らすし………お前いいとこねぇな…」
「殺されてぇのかお前…このまま噛みちぎるか肋骨折るぞ」
自分から抱きついてきたりちゅーしてきといて腹立つようなこと言ってくる馬鹿マシュマロを強く抱きしめ返して首元に噛み付く。
「…っちょ、いてぇ!…くる、しぃ…ってっ!…何す…んだよ、カスライオンがっ!!」
「…じゃあ押し返せば??」
別にたじろぐわけでもなく、押し返すわけでもなく、押し返せるくらい力を抜いて、されるがままに体委ねといて口だけは達者なマシュマロに言い返す。
「……うっせぇ…死ねカス…」
「……お前はとりあえず喋んな、口も開くな…精神統一でもしてろ」
……ほら…そうやって言っといて押し返すどころか、またぎゅぅーって抱きついてきて…俺のこと困らせるだろ…。
…最近のこいつの甘えっぷりは病気レベルだからな……それに、急に来るから戸惑うだろ……。さっきまでいつもみたいにケンカしてたのにいつの間にかウサギみたいに発情しだしたりガキみたいに甘えてきたり……。…まぁ、ムカツクけどこんな馬鹿に惚れてる俺は何されても内心焦りつつも嬉しかったりするわけだけど……俺も病気か?
「……んぅー…」
「……」
……な?…顔赤くして口突き出して…こんなふうにして誘うから俺の心拍数すっげぇことになってるし、顔も熱くなる………。
……困るんだって…あんま可愛いことされると…俺がいろいろパンクしそうで…。
虎羽が髪乾かし終わったのかドライヤーの音が止まった。
「……また後でな」
「………」
自分の中にある感情にフタをしつつも誤魔化すように真白にデコピンをする。
「…いてぇ…」
つり目気味の目がさっきまでトロンとしてたのに、デコピンをすると眉間にシワが寄って目つき悪くなってる。
「……虎羽…髪乾かし終わったみてぇだし勉強教えてくるから、お前風呂行けって…」
「……言われなくても行くし…」
さっきまで怒ってたような目からまた力が抜けて寂しそうな顔になる………百面相だな…。
「…お前が風呂上がる前に終わらせるから……そんで、風呂入ってすぐ部屋行くからさっさとしろよ!!…トロトロしてっと俺寝るからな!早く!風呂に!行け!!」
「っ!!!…う、うるせぇボケ!!…お前こそ…トロトロしやがったら先に寝るからな!!電気消すかもだぞ!!」
後半恥ずかしくて喧嘩腰になるけど、それはこのバカも同じで、……下向いてても赤いのはバレバレだっつの。
パタパタと風呂場に行く音と、すれ違いのように虎羽がリビングに戻ってきた。
「……また喧嘩してたでしょ…懲りないなほんと…」
呆れたような声でポスンとソファーに座る虎羽は真白の弟とは思えないほど雰囲気が大人でこっちがため息をつきたくなった。
「……お前さ…兄貴にもっと大人っぽくなれるコツとか教えれば…?」
「…無理でしょ…兄ちゃん昔からあんなんで変わらないし……しんくんが一番分かってんじゃないの?」
諦めたような目でこっちを見られる。
……そりゃそうだけど、お前の兄貴のあざとさに毎度毎度滅多打ちにやられてるんですけど…
なんて言えねぇけど…
「何にせよ…俺には無理だよ。…しーくんが面倒見てやってよ、結構泣き虫だからなー…その時はヨシヨシしてあげて?」
「………アホか…」
なにやら楽しげに笑って冗談を言ってきた。
「何だかんだ言って昔からしーくんは兄ちゃんに優しいからなー……まぁ、それ以上の関係かもしれないってことはこの際知らないことにしとくけどー」
「…………」
「無言は肯定…これしーくんの癖だね」
ニヤって笑ってシャーペンでペン回ししながらこっちを見る。
………え…いつから…?……てか…サラッと言われたけど…バレてるよな?……いいのか中学生にこんなこと知られて、悪影響だよな?!……真白に殺されねぇかな俺…
「大丈夫!俺、蛍ちゃんで免疫あるから!それに結構好きだから!!てかむしろ大歓迎?心配入らないよ!朝霧家の子孫は俺に任せて!」
「………」
複雑なんだけど…てか、そういう問題でもない……。…まぁ、とりあえず…保留?
「…よし!しーくん、勉強教えてくれて解説まで書いてくれたし!!俺、遊び行ってる蝶羽に電話しなきゃだし、部屋戻るよ」
「……あぁ、う…ん…」
いろいろいっぺんに起きすぎて頭ついていかねぇ……
「じゃ、おやすみ!…………これからも真白のことちゃんと大切にしてあげてね」
「……ん、分かってる。…おやすみ」
…最後に虎羽が言った言葉の意味は、分かってるつもり…。わざわざ『真白』って言ったのも、分かってる。…やっぱ中学生のくせに大人びてんな…。
…あーー、さっさと風呂上がれよ馬鹿。
なんか…こう……いつもよりもっと優しくしてやりたい気分だから
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