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待ちわびる
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真白side
「………風呂上がった……虎羽は?」
「……ん。虎羽もう部屋行った…蝶羽と電話するって」
「………そ…」
タオルで軽く拭いて髪もほとんど拭かないまま、ポタポタと落ちる水を見つめて下を向く。
…………心拍数やべぇぇ…ッ!!!!
「……………」
「………風呂…行けよ」
「……行くけど。………部屋で待ってて」
とくに長い会話じゃないのに、お互い黙って突っ立ったまま、なんか、長く感じた。
……くっそ恥ずいしな!
「…ッ~~!」
ボソッとそんなことを言って風呂場に行くし。…なんか、待っててって、はっずいな!!!
それからしばらく立ったまま髪を触ってみたり服を握ってみたり、落ち着かなくて、部屋に行ってベットに倒れこんだ。
…でも、寝てんのもな…。
そう思ってなぜかベットの上に正座で待つ。…別にあいつに示す敬意なんてもんは持ちあわせてねぇけどな。
「……………」
……まだ、2分…。
「……ッ~~~~!!!!」
自分の考えてることをよくよく考えて急に恥ずかしくなって枕を掴んでバシバシとベットの上に正座してる膝に叩きつける。
女か!!俺は女かっ!!!彼氏を待ちわびる乙女か!!!キモい!!キモすぎる!!!うえぇっ!!!こういうのは可愛い女の子をよこせ!!!なん万倍も可愛いから!!!
「………はぁ…」
急に頭に血が上ってまた冷静になる。……この待ち時間、めっちゃ長いし無駄に恥ずかしいし、むずむずすんだけど!
さっき、ほんとなんであんなこと言ったんだろうね?病気?お医者さんに見てもらうか?
…ほんとに、一体なんなんだろ…。
おかしい…急に引っ付きたくなって…ちゅーとか、ぎゅーってしてるだけじゃ足んなくなって……俺に、いっぱい触って欲しくて…あいつが他のヤツに触られてんのとか触ってんのが別に嫌ってわけじゃないのに…一番は俺がいい…ってわがままが止まんなくて……困る。こんなんじゃなかったのに、いつの間にかこんなふうに思ってんのが怖い。無理。好き。…好き。むかつくし鈍いし自分勝手だし変態だしカスだし、嫌いなんだけど、気持ち悪いくらい好きで、これは否定できなくて…あー、俺ほんとにホモになってんのか…別に偏見とか全然ないけど。
「……なんか、暇い……このままではいかん…」
ボーとしてると、なんか、こう、変なこと考えたりしそうだしな。
………あいつが風呂上がってくんの遅かったら、ほんとに寝ちゃうんだからな。寝る。寝る。絶対寝る。
……めっちゃ目冴えてるけどな。
「…あーーーーー無理。…無理。……やっばい……早く来い…」
一人でベットでクッションに顔うずめてみたり、ゴロゴロしてみたり、バタバタやってみたり。
なんかもう、こんなんじゃない。
横に!足りない!!むかつくくらいきらいなあいつが足りない!!!
こんなこと思ってる俺も俺だけど、俺の事好きなあいつもあいつだ!お互い様だしな!!文句は言わせん!!
………さっさと、来いよ…馬鹿…。
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